研究活動報告

【科学研究費助成事業・基盤研究(C) 21K02676 令和3~6年度】

「高専教育は何故難しいのか?―持続可能な高専教育のための当事者エスノグラフィ―」ヒアリング(in 島根県立大学・松江高専)           2023. 9/3~5

 9月3~5日の日程で、一昨年度より進めている科研費事業「高専教育は何故難しいのか?―持続可能な高専教育のための当事者エスノグラフィ―」のヒアリングを行いました。

 今回は、以前に渡辺単独で訪問した島根県立大学・山根繁樹研究室へ、科研費チームで再び訪問させていただき、長時間にわたるヒアリングを行いました。

 3日の夕刻には、それぞれの地より、松江に集合し事前の打ち合わせを行い、翌日4日は朝10時から夕刻4時30分まで、高専教育の制度的枠組みから、歴史的変遷、各高専における共通点・相違点、これからの高専のあり方など山根先生の約四半世紀にわたる高専での経験をもとにヒアリングをさせていただきました。

 内容としては、ネガティブ要素だけではなく、改善点や可能性を探る形での、ポジティブ要素も意識してのヒアリング・議論となり、有意義か刺激的な時間となりました。

 最終日の5日は、松江高専の大西永昭研究室へ訪問し、国語科主任としての現状や労働環境の変化など、大西先生の身近な視点から、ヒアリングさせていただきました。

 私自身も、古巣である松江高専へ久しぶりに訪問させていただき、有意義かつ感慨深いひとときとなりました。

 なお、今回のヒアリング参加者は以下の通りです。

【ヒアリング対象者】

・山根繁樹 先生(島根県立大学 短期大学部 文化情報学科 教授)

・大西永昭 先生(松江工業高等専門学校 人文科学科 准教授)

【科研費チーム】

・車田研一 先生(福島工業高等専門学校 化学バイオ工学科 教授)

・金澤伸一 先生(新潟大学工学部 准教授)

・江本久雄 先生(鳥取大学工学部 准教授)

・渡辺賢治(常磐短期大学 准教授)

 この科研費事業も折り返しの時期を過ぎましたので、各方面へ論文や学会発表など、徐々に形として発信していければとチーム内で検討しています。どうぞ、引き続き、よろしくお願いします。

 島根県立大学・山根研究室でのヒアリング(撮影:渡辺)

 

 松江高専・正門前にて

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「地域コンテンツ研究会(第20回研究会)」にて研究発表 2023.8. 29

 8月29日(火)、北海道帯広市「とかちプラザ」(帯広市西4条南13丁目1番地) 講習室402 にて、「地域コンテンツ研究会(第20回研究会)」が開催されました。

  第1部の「研究発表(13:35~14:20)」において、「旅行ガイドブックからキャラクターコンテンツへ―地域創生における物語の再構築―」と題し、研究発表を行いました。

 現在、『るるぶ』や『まっぷる』など、旅行ガイドブックが広く流通・認知されており、いわば「水先案内人」としての役割を担っていると言えます。一方で、キャラクターコンテンツにおいても同様の役割が垣間見られます。そこで、本発表では、コンテンツ『温泉むすめ』を中心に、各観光地(温泉地)に展開するキャラクター等身大パネルのアイコン化や特別観光大使就任、キャスト声優の役割や認識等を踏まえ、地域創生における物語の再構築について考察しました。

 活発な質疑応答が行われ、「物語」の再構築に関する意識について、さらなる検証を深める契機となりましたなお、研究会は3部構成となっており、第2部では「特集《十勝のミュージアム》」として、杉本圭吾 会員(鹿追町立神田日勝記念美術館学芸員)による「神田日勝を通して戦後の十勝美術を見る」、大和田努 氏(帯広百年記念館学芸員)による「北海道十勝地方の近代史――開拓の進展・産業の形成と、地域の自意識」と題した講演がそれぞれ行われました。

 そして、 第3部では「総合討議《地域×コンテンツ×ミュージアム》」が行われ、私もパネリストの一人として登壇させていただきました。以下、登壇したパネリストは次の通りです。

・大和田努 氏(帯広百年記念館 学芸員)

杉本圭吾 会員(鹿追町立神田日勝記念美術館 学芸員)

・渡辺賢治 会員(常磐短期大学 幼児教育保育学科 准教授)

・司会: 近藤周吾 会員(北海道大学 文学研究院 内地研究員)

 こちらも地域創生におけるコンテンツの役割や、ミュージアムのこれからのあり方など、それぞれの研究領域からアプローチし、会場の参加者と活発な質疑応答を行いました。

 私自身も、良き刺激を頂き、今後も『温泉むすめ』を始めとしたコンテンツツーリズムと地域創生に関する研究をより推進させていきたいと考えています。

 

 

 

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「東北芸術文化学会第28回大会」にて研究発表  2023.7. 29

 去る7/29(土)、宮城県仙台市AER(アエル)にて開催された、東北芸術文化学会第28回大会(大会自体は7/29、30の開催)に参加し、研究発表を行いました。

 発表論題は「再構築される文化と趣味縁の広がり-コンテンツ『温泉むすめ』の「御泉印」と聖地巡礼」-」で、副題にあるように、主に『温泉むすめ』の「御泉印」と聖地巡礼に焦点を当てた形での発表を行いました。

 『温泉むすめ』の「御泉印」とは、端的に言うと「御朱印」とほぼ重なるイメージであり、まさに聖地巡礼において自らの巡礼した証となるものですが、昔時から続く宗教行事の一環をキャラクターコンテンツに取り込み、かつ収集する楽しみも伴わせる新たな試みとして認められます。

 伝統文化を源流としつつ、そこに新たな創造を実装させ、各温泉地にいる『温泉むすめ』の魅力を補完する効果はもとより、地域の活性化(地域創生)や文化の再構築としても挙げられます。背景には、『温泉むすめ』の物語世界の根幹ともいえる「下級の神様」という設定があるからこその実装・親和性であるものと考えられます。

 今後の拡大や浸透、定着度といった点にも注視しながら、引き続き『温泉むすめ』に関する研究を継続して参りたいと思います。

 なお、質疑応答としては「趣味縁」に伴うファン層の新たな獲得や展開(と男性ファンに傾斜している現状を今後どのように広げていくのか?)に関する質問や、『温泉むすめ』のみならず、そもそもキャラクターコンテンツ自体の問題(ジェンダーの問題への対策など)も挙げられ、活発な議論が展開されました。

 1日目の学会終了後、夕刻には約4年ぶりとなる懇親会が開催されました。発表者や参加者ともに学会発表で時間が足りなかった部分の補完を行うべく、活発な議論がほろ酔いながらの雰囲気のもと展開され、刺激的なひとときとなりました。

 

 

 

 

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【科学研究費助成事業・基盤研究(C) 21K02676 令和3~6年度】

「高専教育は何故難しいのか?―持続可能な高専教育のための当事者エスノグラフィ―」ヒアリング(in 島根県立大学)                  2023. 3. 14

 先月、2/17(金)に島根県立大学(短期大学部 総合文化学科〈松江キャンパス〉)山根繁樹研究室にお邪魔し、昨年度より進めている科研費「高専教育は何故難しいのか?―持続可能な高専教育のための当事者エスノグラフィ―」のヒアリングを行いました。

 研究の概要については、既に下記の同・研究活動報告「in 新潟大学」に記した通りですが、今回も前回に続き、有意義かつ濃厚なヒアリングをさせていただきました。

 なお、今回のヒアリングは、以下の先生にさせていただきました。

・山根繁樹 先生(島根県立大学 短期大学部 総合文化学科 教授)

・大西永昭 先生(松江工業高等専門学校 人文科学科 准教授)

 大西先生は一昨年12月に松江高専にて、ヒアリングさせていただきましたが、今回も「夜の打ち合わせ」に合流してくださり、3人で久闊を叙しながら、高専のあり方について語り合いました。

 「久闊を叙しながら」と書きましたが、渡辺含めこの3名、実は2014~16年当時、松江高専の国語科専任教員メンバーとして勤務しておりました(当時の国語科主任が山根先生)。その後、山根先生は県立大へ、大西先生は現在・国語科主任として、そして渡辺は福島高専を経て現職へと到っております。何とも嬉しい再会でもありました。

 山根先生とは、約3時間にわたるヒアリングをさせていただきましたが、今まで「主事」経験をされた方からのヒアリング経験はなく、その点を踏まえると、今回は非常に貴重でした(山根先生は寮務主事として、松江高専の組織運営に取り組まれていました)。

 約四半世紀にわたって、松江高専での教育研究を始め、学内・学外業務をこなされてきた山根先生のお話しは、様々な気づきや発見がありました。

 詳細については、いずれ科研費報告書にて記載されますが、端的に言うと「地理的要因」「空間的要因」を背景に備えた上での、「意識の連帯(危機感や帰属性など)」、また、若手中堅世代による組織内改革の「成功体験」と「管理職のバックアップ」といった点に、大きな特徴を感じました。

 特に危機感に関しては、昔時、島根県全体の人口が70万人を切る可能性が高まりつつある中で(現在は70万人を切っています…)、否応なく少子化の影響が顕著となり、それは入試倍率にも直結し、もはや「一部の教員がやっていればそれでいい」といった発想は通用しないという認識が構築されてきた点が挙げられます。

 結果、厳然と「数値」として(エビデンスとして)入試倍率を目の当たりにすると、自身の身の振り方にまで影響が出ることへの危機感は、否応なく共通認識として機能するとともに「それぞれ自身のできる守備範囲内で何とかしなければならない」といった考えに到ったということ。

 同時に、当時の若手中堅(山根先生もその一人だった)が連帯して、校長のバックアップ体制のもとで改革を行ったという「成功体験」は、「自分たちが動けば変えられる」といった、新たなモチベーションや高専業務へのやりがいを創出させ、そのイズムが現在まで引き継がれているという風土は興味深いものでした(その一方で、現在はそのイズムの「継承」が課題となり始めています)。

 大半の改革は、志半ばで力尽きてしまうことが多いのはどの職種でも同じですが、松江高専の場合はタイミング(高専の独法化)や管理者(校長)のバックアップ体制などが上手く重なっています。併せて「このままでは本当にマズい」といった空気が、改革への継続的拍車となったものと考えられます。人的努力と時の運が上手く組み合わさったと言えるかも知れません。

 ちなみに、本年4月からこの科研費「高専教育は何故難しいのか?―持続可能な高専教育のための当事者エスノグラフィ―」も3年目に入り、折り返し地点を過ぎることとなります。引き続き、科研費メンバーの研究者ネットワークを最大限生かしながら、多くの当事者によるヒアリングを収集し、これからの高専教育のあり方を含め、有意義な考察を構築していきたいと思います。

 ※強行スケジュールのため、写真撮影の時間が取れず、下記のものは島根県立大学松江キャンバスHPより引用させていただきました(https://www.u-shimane.ac.jp/weboc/matsue.html)。

 

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【科学研究費助成事業・基盤研究(C) 21K02676 令和3~6年度】

「高専教育は何故難しいのか?―持続可能な高専教育のための当事者エスノグラフィ―」ヒアリング(in 新潟大学)              2022. 11. 23

 先日、11/19(土)に新潟大学工学部・金澤研究室にお邪魔し、昨年度より進めている科研費「高専教育は何故難しいのか?―持続可能な高専教育のための当事者エスノグラフィ―」のヒアリングを行いました。

 この研究は端的に言うと、既に半世紀を経た高専教育に生じている「歪み」に焦点を当て、そのことに当事者である高専教員(学生も含め)自身がどう認識し、問題点を洗い出し、将来の有意義な高専教育へつないでいけるのか、といった観点からの研究です。

 論題の副題にある「当事者エスノグラフィ」は、まさに高専教員自身がどうしていくのか(どう改めていくのか)といった視点に重きを置いていることを意味します。

 この研究は現・元高専教員の7名で構成されており、今回はその内の4名が集まり、併せて、高専から大学に編入した学生、さらに高専を経由せず高校からそのまま大学進学した学生たちにも加わってもらい、複数の質問を提示し進めました。

 なお、今回、渡辺以外に集まった科研費の研究メンバーは以下の通りです。

・車田研一 先生(福島工業高等専門学校 化学バイオ工学科 教授)

・金澤伸一 先生(新潟大学工学部 准教授)

・江本久雄 先生(鳥取大学工学部 准教授)

 実は、金澤先生、江本先生、渡辺も含め、この3名はもともと福島高専の同僚であり、要するに、それぞれ元・高専教員となります。車田先生は上記の如く、福島高専の現役教員です。

 正直、現在の高専において、研究と教育を両立することは「かなり高いモチベーション」を維持し続ける必要があります(自身の経験上からも)。もちろん、高専ごとに風土や文化や地域性が異なるため一概には言えませんが、いずれにせよ、時代とともに両立が難しくなっていることは共通認識です。つまり、研究に裏打ちされた「質の高い授業」の提供が難しくなってきているわけです。

 背景には、担任業務を始め、学力低下によるきめ細かな学生対応(不登校・いじめ問題)、部活の引率(私もサッカー部の顧問でした)、各種委員会(私も学生主事補を始め色々とやっていました)の負荷、管理職による前例主義(現場との乖離)など、こうした事象に翻弄され、結果、研究時間の確保が難しくなり、気付けば「教育屋」になっている、という問題が挙げられます。

 また、高専教育自体、時代のニーズにどれだけ合っているのかといった問題もあります。既に福島高専では6割以上の学生が大学への編入を占めており、高専発足時に比べ、進路の面でも変化しています。さらに「15歳からの早期専門教育」という外部への売り込み文言が実態と乖離している点も挙げられます。その他、教員の二極化(研究&業務をやらない教員・研究&業務を行う教員の間に生じる温度差&不公平感、何とかしてほしいけど公務員はなかなか生首を切れないという現状…)なども注視すべき点です。

 結構、踏み込んだ内容を書きましたが、この科研費では上記の実態を把捉すべくヒアリングを重ねています(いずれも現・元高専教員)。いずれにせよ、複合的かつ重層的に絡みついた問題が多く、容易ではありません。現在は研究2年目ということで、昨年に続き、研究メンバー7名の有するネットワークを最大限活用し、ヒアリングによる情報収集を重ねている最中です。

 今回は学生の視点から「高専教育はどうか?」といったこともヒアリングできたため、非常に有意義でした(金澤先生のご尽力に感謝!)。学生の視点からでしか見えない部分もあるため、実際に教員側の気付かない・死角となっている点など、多々ありました。

 この科研費の取り組みが、次の高専50年に向けて、より良い形になるための一つの試金石になればと念じてやみません。

 なお、この科研費の詳細については、以下のURLをご覧下さい。

 https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K02676/

      ヒアリングに入る前、車田先生による趣旨説明の様子

 

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【常磐短期大学 渡辺賢治 研究室HP 開設記念イベント】

 オンデマンド公開シンポジウム

「メディアが生成する仮想現実と物語 ―コスプレイヤーと化粧行動―」開催                                                          2022. 10. 19

 去る10/15(土)、「常磐短期大学 渡辺賢治 研究室HP 開設記念イベント」として、オンデマンド公開シンポジウム「メディアが生成する仮想現実と物語 ―コスプレイヤーと化粧行動―」を開催しました(配信は同日14:00~)。

 パネリストとして現役コスプレイヤーである、綱島エンジェル氏をお招きし、二次元と三次元をつなぐ、2.5次元(仮想世界)としての役割はもとより、コスプレイヤー自身も含め、どのような「物語」が構築されていくのか、といった視点を意識して進めました。

 また、学術領域からは比較文化・文学研究者の森覚氏(大正大学/帝京大学)、日本近代文学研究者の渡辺賢治(常磐短期大学)が参加し、折々に研究者の視点も交えつつ展開しました。

 「メディア」「仮想」「物語」といったキーワードを軸に、多少の脱線を含みつつでしたが、多メディア時代の中で展開するコスプレイヤーの位相を人文学の視点から、垣間見られた有意義な90分となりました。

 現在も、YouTubeチャンネル「常磐短期大学 渡辺賢治 研究室」にて配信中です。

  https://www.youtube.com/channel/UC6NyWrSOPyHYZ_F6HUs-iBg

 是非、ご視聴のほど、よろしくお願い致します。

 左より、渡辺 賢治・綱島 エンジェル氏・森 覚氏(収録後の記念撮影にて)

 

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「地域コンテンツ研究会(第18回 研究会)」にて研究発表 2022. 9. 2

9/2にキャンパスプラザ京都にて開催された「地域コンテンツ研究会(第18回 研究会)」にて、研究発表を行いました。

当日は、大石玄先生(富山県立大学)より、「地域コンテンツとしての《ご当地キャラ》を考える」と題し、シンポジウムの趣意をご説明いただき、その後、私を含め3名の研究発表が行われました。

限られた時間でしたが、活発な質疑応答が行われ、充実したひとときでした。

私は「地域コンテンツとしての『温泉むすめ』の可能性」と題し、発表しました。

『温泉むすめ』の5年間の取り組みと、「ルーラコイン」「ルーラNFT」の展開と課題など、様々な角度から研究者や一般の参加者から様々なご意見やご教示を頂戴しました。

今後の研究にしっかりつなげて参りたいと思います。

写真は、会場となったキャンパスプラザ京都です。初めて来ましたが、駅から徒歩3分ほどで、とても良い立地でした。

 

 

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HP開設のご挨拶 2022. 8. 12

常磐短期大学 幼児教育保育学科に所属しております、渡辺賢治と申します。

今まで、中学・高校・専門学校・高等専門学校(高専)・大学と、様々な教育環境において教鞭を執りつつ、研究にも取り組んで参りました。

現在は、保育士・幼稚園教諭の養成に携わりつつ、「文学の汎用性」をキーワードに、日本近現代文学研究を土台として、表象文化や国語教育、コンテンツツーリズムに関する研究を行っております。

多メディア時代を迎えている現在、個人での情報発信は常態化しています。
研究世界においても、充実しているとは言えませんが、徐々にSNSを始め動画などで展開し、情報発信を始めております。

こうした潮流の中、文学研究の存在意義を考えた際、もう少し日常生活との接点を踏まえた研究内容を世に発信すべきではないか、という問いを抱き続けてきました。その具現化として、「文学の汎用性」というキーワードを標榜し、現在まで研究を継続している次第です(標榜し始めて、既に7~8年近くになりますが…)。

理系に比べ、文系の学問は即戦力とは距離があり、実態としても見えにくい点は、周知の事実かと言えます。ただし、現在はSNSの普及により、個人研究者が情報発信しやすくなっているため、「文系学問の見える化」が進んでいる点も挙げられます。

あとは、文学研究者が自らの研鑽を重ねつつ、いかに適切かつ魅力的な情報発信を行っていくか。ここに工夫と柔軟さ、チャレンジする姿勢が求められるのではないでしょうか。もちろん、従来から続く作家論・作品論といった研究も重要であり、それらが土台として機能することは言うまでもありません。

ここでは日々、研究活動(論文や学会発表など)の内容を中心に適宜UPして参ります。並行して、researchmapも紐付けしながら、今まで発表してきた拙稿(論文)をどなたでも閲覧できるように、PDFでのダウンロード化も進めていく予定です。

人文学―私自身は国文学という領域からですが、そこに先人から脈々と流れる「知」の集積を、「文学の汎用性」をキーワードに、日常生活の中に浸透している「文学」について、極力分かりやすい形で提示していければと考えています。

こうした取り組みが、文学研究における「伝統と革新」の推進につながるものと信じて―。

どうぞ、お気軽に当HPへお立ち寄りください。

 

                               2022年 8月 吉日 

                             常磐短期大学 幼児教育保育学科 准教授

                                  渡辺 賢治