つれづれブログ

【新年もそろそろ一ヶ月経過―雑務と研究の狭間より―】2024. 1. 27

2024年が始まり、そろそろ一ヶ月経過する今日この頃ですが、今更ながら本年もよろしくお願い致します。

年初より自然災害を始め難事が起こり、何とも重苦しいスタートとなりました。まずは被災された方へお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い被害沈静・被災者息災安穏を祈るばかりです。

さて、現在、多くの大学では、期末試験の期間に入っているか、入りつつある時期かと思われます。

勤務校でも今週から期末試験期間に入り、来週まで続きます。学生の皆さんは必死に図書館やカフェ、空き教室などで勉強しているようです。

教員側は、この期末試験期間が終わった後から(その最中も含め)、採点や成績処理に追われます(いわば「地獄の日々」です)。定められた期限内に全て完了せねばならないですし、成績ということもあり、慎重かつ神経を使う仕事でもあります。

授業自体は既に終わりましたが、上記の成績処理を終えると、その後は年度末の様々な雑務処理も待っています。これは教員にしか分からない部分ですが、本当に色々あります。そして、並行して、私大は2月から各校で入試も実施されます。加えて、この時期は新年度のスケジュールも具体的に決まり、そちらの準備にも否応なく入っていきます。

毎度の如く、瞬く間に年度末→新年度を迎えるわけですが、そうした中、折々に時間を見つけて、自身の次なる研究も進めていきます。

既に2024年の研究計画は策定完了し、あとは確実に遂行していく段階に入っています。2024年は前年にやり残している研究(『谷口喜作著作選』)をまず最優先で完了させ、次なる研究を進めていく予定です。「文学の汎用性」を基軸に、表象文化との関わりを中心に進めてきましたが、それらをさらに進化発展させるべく、論文や学会発表を中心に取り組んでいきます。文理融合研究への視野も一歩深め、有意義な「化学変化」を起こすことが出来ればと考えています(昨日もそれに関連した打ち合わせを行っていました)。

まずは、3月に第4弾となるオンデマンド公開シンポジウムを配信する予定です。間もなく、情報をUPしますが、次はある作家の方をお招きする予定です(今月、新刊を刊行されています)。乞うご期待下さい。

その前に、2023年度「常磐大学オープンカレッジ(秋冬)」において、地域創生とキャラクターコンテンツに関する公開講座を実施します(「メディアが生成する地域創生と物語の再構築―キャラクターコンテンツから茨城県を考える―」)。既にお申し込み下さった方には、心より御礼申し上げます。今回は、茨城県における注目すべきキャラクターコンテンツとして、『ガールズ&パンツァー』『茨ひより』『温泉むすめ』を中心に扱います。現在、資料は鋭意制作中です。

その他、先日(1/21)は秋葉原で開催された『温ゲキむすめ』(温泉むすめ×オンゲキ)のイベントにも参加してきました。会場の熱気に圧倒されながら、1部2部ともに楽しいひとときとなりました。やはりライブは良いですね。

現在、水面下で取り組んでいることもいくつかあり、それらがどの時期に具体的にお知らせできるか分かりませんが、いずれも私自身の取り組みにかかっているので、着実に具現化して行く所存です。チャレンジ精神を持ちつつ、今年も駆け抜けていきたいと思います。

あとは、3月15日に法蔵館より刊行される、森覚・大澤絢子編『読んで観て聞く 近代日本の仏教文化』に執筆させていただきましたので、詳しくは法蔵館HPへアクセス下さい。私は第四章の担当で、「露伴文学と仏教―その受容と生成について―」と題し、露伴文学の知見からアプローチしております。折々に研究でご一緒している森覚先生の渾身の編著となっております。

大寒も過ぎ、間もなく節分と立春を迎えます。

どうぞ、皆さまも引き続き、日々、ご自愛しつつ、充実した1年間となりますように。

(下の写真は、先日、勤務校の研究室棟バルコニーより眺めた、夕暮れ時のもの)

 

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【2023年→2024年―持越課題と新生課題の二刀流―】2023. 12. 30

気付けば、2023年も残り2日となりました。

26日に大学が仕事納めとなり、ようやくブログもこうして更新できている今日この頃です。11月は普段以上に多忙だったため、残念ながら更新叶わずでした(意識を持ちながら、いつもいつも「あぁ、今日も更新できなかった……」の繰り返しで、ズルズル年末まで来てしまいました(反省))。

それにしても、今年は本当にチャレンジングな一年でした。

本務校においては、県内初となる「認定絵本士」養成講座の開設(私が授業責任者&コーディネーター)や新カリキュラムの実動スタート、水戸市×森のシェーブル館×本学地域連携研究支援センター「わくわくプロジェクト(水戸市観光土産品付加価値創出事業)」におけるテレビやラジオ出演ならびに報告発表、さらには県内のデザインコンクールへのエントリー、学科内における新カリキュラム移行に伴う2024年度からの初年次教育用テキストの全面改訂(私がとりまとめ役で現在も進行中)、その他、各種委員会やWGにおける取り組みなどなど、明らかに昨年よりも多忙な日々でした。

自身の研究においては、単発論文や学会発表を中心に、科研費関連の調査・ヒアリング、共著や単著の執筆、YouTubeチャンネルでの配信(公開シンポ、新設した「研究者の雑談 ひとときのひととき」)など、また一歩、深化・推進させた一年だったと言えます。

特に大きかったのは、後期より芝浦工業大学デザイン工学部での「現代文芸論」の担当です。非常勤講師として、他大学でかつ自身の研究に直結する形で教育研究に携わることは非常に刺激となりますし、何よりも自らの直近の研究内容を試験的な要素も含め、提示できる点は非常にありがたい機会となりました。

その一方で、昨年より取り組んできた『谷口喜作著作選』(松籟社から刊行予定)は形にすること叶わず、2024年に持ち越しとなりました。自らの研究能力の低さや足りなさを痛感した次第です。年明け早々には脱稿できるよう、現在も休むことなく取り組み中です。

その他、狭間の時間を最大限駆使して、映画やゲーム、ライブ、芝居など、色々と娯楽とリフレッシュを適宜取り入れてきました。コロナ禍も5類に移行したことを受けて、研究者同士の定例会(「博士会」と呼ばれている)も本格的に再始動しました。

既に2024年の研究計画は策定しており、今後は微修正などを経て実動させていく予定です。折々に示している「文学の汎用性」を基軸に文学研究はもとより「物語」「再構築」「表現」といったキーワードを踏まえ表象文化や地域創生、国語教育、文章表現など、これまで研究してきた内容をさらにブラッシュアップしていければと考えています。

なかなか難しい部分にも直面しますが、それも次に繋がる大事な経験と受け止め、何事もポジティブに向き合っていきたいと思います。

2024年も研究を通じた、新たな出会いや「化学変化」など折々に体感できる、そのような一年になればと念じています。

世界情勢は混迷し、日本もその余波を受けながら明年へと続いていく、重苦しさが蔓延していますが、そういう時代だからこそ、「今の自分の置かれた中で何が出来るのか」を思考し、悔いなく真摯に生きていければと思います。

皆さまも、体調管理に気をつけて、良き年末年始をお過ごし下さい。

  12月25日より配信中の「研究者の雑談 ひとときのひととき」より

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【さらなる高みへ、また一歩〈第19回〉】2023. 10. 29

神無月も残すところ、あと2日となりました。

前回のつれづれブログでは「10月初旬に更新を」と書いておきながら、結局、下旬となってしまい、何とも身辺事情のハードスケジュールさに翻弄されている今日この頃です。

さて、報告事項としては、9月下旬より、芝浦工業大学デザイン工学部デザイン工学科(大宮キャンパス)にて、「現代文芸論」という講義を担当することとなりました(非常勤講師として)。

既に5回目の講義を終えていますが、本務校では幼児教育保育学科に所属するため、私自身の主研究である、日本近代文学(明治文学)をダイレクトに授業に取り入れることは難しく、あくまで「児童文学」といった形で、多少触れる程度でした。

そうした状況から、芝浦工大では自身の研究内容をそのまま反映させることができるため、幸田露伴研究を始め、ポップカルチャーとの接続性も踏まえた、文学と表象文化に関する内容もしっかり扱っています。

自ら掲げた「文学の汎用性」を、さらに一歩、裾野を拡げることができ、非常に良き刺激となっています。

その他、前回(9/9)のオンデマンド公開シンポに関してですが、10/30現在、視聴回数としては公開から約1ヶ月半で125回となっており、90分の学術系公開シンポとしては、堅調な伸び率かと考えます。しかも、いち研究室レベルとしてですので、それなりの反響はあったものと捉えております。

いつかの「つれづれブログ」で少し触れたかと思いますが、公開シンポのゲスト選定は基本的に、第3候補まで立てた上で詳細に吟味し、かつ総合的に判断した上で、打診・決定しています。主軸はあくまで文学(国文学)領域からのアプローチですので、いかに「文学の汎用性」を展開できるか。ゲストの方のその領域での経験や知見とアカデミックな親和性を考えています。現在、第4弾となる公開シンポの企画も水面下で進行中です(ゲストはほぼ決定済み)。

前回の公開シンポのゲストである「声優のたまご」店長のミトさんからは、色々とお話を伺いましたが、コンカフェの華やかさや多様な物語世界の彩りや魅力を話された一方で、裏方(店長)としてのマネジメント面での大変さも印象的でした。こうした点も踏まえ、いずれコンテンツ系の学会などで発表や論文化を試みることができればと考えています。

あとは、少し先の話になりますが、既に「X」(旧Twitter)でも告知している通り、常磐大学オープンカレッジ(秋冬)にて、講座を担当させていただくこととなりました。

昨年も担当させていただきましたが、今回は昨年扱った内容をもう一歩拡げるべく、『温泉むすめ』(大子温泉)とともに『ガルパン』や『茨ひより』に関する内容も扱います。茨城県内における「キャラクターコンテンツと地域創生」といった視点で考察する予定です。詳細は近いうちに「公開シンポジウム関連」にUPいたします。

単著(『谷口喜作著作選』)や共著(2~3冊)を始め、単発論文の締め切りなど、相も変わらず「秋の締め切り地獄」に追われている日々ですが、「研究の秋」として捉え、邁進し、乗り超えていきたいと思います。併せて、所属学科では現在、就活ピーク期であるため、そちらのサポート(面接指導やエントリーシートの添削など)もかなりハードですが、各々学生の個性や特性を最大限に引き出せればと思います(そろそろファストパス配布の出番か…苦笑)。

まだまだ色々と書きたいのですが、次なるスケジュールが迫っているため、最後に一点。

昨日、神奈川近代文学館へ行ってきました。現在、「没後30年 井伏鱒二展 アチラコチラデ ブンガクカタル」を開催しており、それにちなんで恩師が記念講座として「井伏鱒二―山椒魚の忍耐」と題し、講演されました。御年85歳の恩師は大変お元気で、90分間、縦横無尽に井伏文学の魅力を語られました。当時のゼミ仲間とも久しぶりに再会叶い、嬉しいひとときとなりました。

老いて益々盛ん、とはまさにこのことで、駆け出し研究者の私としては、非常に大きな存在であるとともに精神的支柱として、いついつまでもお元気であって欲しいと念願した次第です。

朝晩、冷えるようになってきましたので、皆さまも体調管理にご留意ください☆

     こちらは昨年、石川県にて(谷口喜作関連の調査の途上)

      神奈川近代文学館(久しぶりの来訪となりました)

   文芸評論家である恩師は、現在、法政大学名誉教授でもあります

      港の見える丘公園から(こちらも久しぶりの来訪)

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【2023年・夏の研究と秋冬の仕込み〈第18回〉】2023. 9. 24

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り、猛暑な日々も昨日の秋のお彼岸あたりから、少しずつ落ち着いてきた感じですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。

つい先程まで、都内に滞在していましたが、本日も日差しは強かったものの風は涼しく、秋の気配を感じました。今年の夏は猛暑というよりも酷暑レベルな日々が多く、私自身もそれに比例して、例年よりも夏バテ状態の多い日々でした(今は徐々に復活)。

勤務校においては、一昨日より後期の授業がスタートしました。また慌ただしい日々となりますが、学生はもとより私自身も授業を通して、良き刺激を受け、さらなる研究教育のブラッシュアップにつなげていければと考えています。

既に「研究活動報告」でも書きましたが、夏休み期間中は自身の研究を中心に、複数の物事を同時進行で進めていました。まずは、8/29日に開催された「地域コンテンツ研究会」での研究発表(『温泉むすめ』関連)ならびにパネリストとしての登壇、続く、9/3~5日に書けての山陰への科研費ヒアリング(高専教育関連)、その他、9/9日配信のオンデマンド公開シンポジウム(収録は8/27日)、9/19・20日の京都での出版社打ち合わせ、そして、昨日と本日の都内での研究打ち合わせ(定例)などなど、アクティブに動き回っていました(ちなみに9月13~15日は幼稚園教育実習の巡回指導で県内を飛び回っていました)。

もちろん、動き回りつつ、次年度の科研費申請書類の作成&提出、年明けに刊行予定の幼児教育保育関連の共著原稿の執筆&提出、単発論文(こちらは幼保小連携と国語教育関連)の執筆&提出も抱えていましたが、どうにか完了しました。あとは共著論文の執筆&提出を早急に進めねばなりません(こちらは大学の紀要で、同じ学科の先生と初めてコラボして書きます)。

色々と書きましたが、懸案は京都で打ち合わせをした事項でしょうか。既に今年3月に配信した「和菓子と文人墨客」で取り上げた、上野うさぎや二代目店主・谷口喜作の作品をまとめた『谷口喜作著作選』刊行に向けた編集作業です。これがなかなか大変で、当初よりも遅れてしまっている状態です。

端的に言うと、私自身の能力の低さや怠惰さとともに、身辺事情のハードさが挙げられます。今年度より、勤務校の所属学科での新カリキュラム展開や県内初となる「認定絵本士講座」のコーディネーター、地域連携研究支援センター(旧名:地域連携センター)での取り組み(「わくわくプロジェクト」報告)、外部の委員会への有識者としての参加などで前期は終わってしまいました。いつも谷口喜作関連の資料を机の横に置いていながら、ただそれを悔しく見つめるだけで終わってしまう日も幾度となくありました。

改めて、編著書を進めていく大変さを痛感します。その一方で、様々な方が期待を寄せて下さっており、そこにお応えしたい想いがどうにか背中を後押ししています。当初は年内の刊行を予定していましたが、良い形で出版すべく、年度内での刊行として進めて行きます。

秋から冬にかけて(次年度も含め)の仕込みも行っていました。間もなくご報告できるかと思いますが、キャラクターコンテンツと地域創生に関しても、引き続き「物語」「再構築」をキーワードに取り組んでいます。あとは、秋の学会発表に向けての準備も同様です。その他、もう一つ(こちらは10月初旬に)ご報告することがあるかと思います。暫しお待ち下さい。

「読書の秋」、「芸術の秋」、「食欲の秋」など、秋にまつわる様々な言葉がありますが、私自身、研究者として成果を如実に示すことから「実りの秋」への意識は強いかも知れません。ただ、成果が形となって現れるのは、大半は年度末(3月)ですが(笑)。

あと、詳細は書けませんでしたが、近いうちに、先日(9/9日)配信した第3弾となるオンデマンド公開シンポジウム「表現世界におけるセルフプロデュースと物語の変容―メディア×メイド×コンカフェ―」について、感想や楽屋裏な話なども含め、改めて「つれづれブログ」でお伝えできればと思います。

季節の変わり目に入りつつある今日この頃、どうぞ、皆さまも体調管理にはくれぐれも気をつけてお過ごし下さい☆

   8/27日、収録を終えた直後に撮影(渡辺、ミトさん、森先生)

    松江駅のそばにある観光協会にて

     有名な彩雲堂の和菓子「若草」

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【HP開設1周年 ―教育・研究・その他ハイライト―〈第17回〉】2023. 8 .11

瞬く間に「常磐短期大学 渡辺賢治研究室 HP」開設から1周年を迎えました。

光陰矢のごとし、研究教育に携わる日々の生活スピード感はなかなか息継ぎもままならず、結果、先月の更新はまま成りませんでした。ポジティブに捉えれば、それだけ密度濃い日々なのだなーと、我ながらそれはそれで妙に納得しております(笑)。

ようやく、昨日を以て、大学での仕事が一段落し、今こうして複数の内容をUPすることが叶いました。それにしても、今年の猛暑は例年よりも厳しく、酷暑な日も増えており、北国出身の身としては非常に過ごしにくいこと、この上のない日々です。

さて、教育研究を始め、いくつか振り返ってみたいと思います。

6月以降、大学での日々の授業や学内での各種委員会の傍ら、次なる直近の研究に向けて色々と動いていました。その一つは既に本日「研究活動報告」でもUPした、東北芸術文化学会第28回大会での学会発表です。ちなみに、その1週前から教育実習(保育実習)の第2弾がスタートしており、巡回指導のスケジュールの間をぬっての学会発表でした。

『温泉むすめ』のさらなる展開を冷静に注視しつつ、今月末に開催される「地域コンテンツ研究会(第20回)」(in帯広)での研究発表にもつなげていきたいと考えております(目下、発表資料を絶賛作成中です)。こちらの研究会では、「旅行ガイドブックからキャラクターコンテンツへ-地域創生における物語の再構築-」と題し、発表します。『温泉むすめ』だけではなく、その他のキャラクターコンテンツも例に挙げながら、二次元の特別観光大使や声優の役割や認知についても触れ、考察を行う予定です。なお、当日は「総合討議〈地域×コンテンツ×ミュージアム〉」のパネリストとしても登壇します。

その他、今まで取り組んできた、常磐大学地域連携センターでの取り組み「水戸の観光土産品付加価値創出事業(わくわくプロジェクト)」に関連しての水戸市長表敬訪問も大きな出来事でした。既に本年5月に約1年間取り組んできたプロジェクトの成果発表で一段落したのですが、その後も思わぬ展開となり、市長表敬訪問だけではなく新聞(茨城新聞)やラジオ(茨城放送)にも取り上げていただき、学生ともども嬉しい展開となりました。今後も森のシェーブル館の新生「フロマージュ・フレ」が水戸の観光土産品として、さらに注目してもらえればと念じてやみません。

そして、8月はつい数日前まで期末試験とその成績処理、オープンキャンパス出勤、高大連携の取り組み(大学入試における模擬面接の指導)など、色々と動いていました。私の学生時代には想像もしなかった手厚いサポートや興味・関心の仕掛けが巡らされており、充実さが感じられました。

一方、本人の自発性や情報収集・取捨選択の必要性がより重要になるものと考えられます。周辺環境の整備や充実とともに、自身の将来への明確なビジョンはもとより熱意や信念、さらにはたくましさもより求められる時代になってきたように思います。換言すると、自己責任と二極化の表出がより強まってきたのかもしれません。無知や無関心、甘えや開き直りがしやすくなっている現代で、一度きりの人生をどう有意義に生きるか。言うまでもなく、人生にリハーサルはなく、常にぶっつけ本番です。そこには、逆手に来る流れも順に受け止める強さ(=たくましさ)が必要になってくるものと考えます。

特に高校生や大学生などには、是非、未来で後悔しない生き方を目指してもらいたいと思います(このことは常々、大学の授業でも話していますが)。

あとは、来月(9/9)の配信となりますが、第3弾となるオンデマンド公開シンポジウムも開催します(今月末に都内で収録予定です)。詳細はHPの「公開シンポジウムなど」をご覧下さればと思います。「文学の汎用性」の一環として、チャレンジングな内容で配信できればと考えています。

研究関連としては、8月6日に配信スタートした「研究者の雑談 ひとときのひととき」もチャレンジングな内容として挙げられます。こちらは不定期ですが、日々、周縁の研究者と渡辺自身がどのようなことに注目しているのか、公開シンポよりも短時間かつライトで砕けた話題を(といっても研究関連ですが)配信していきます。何か1ミリでも有意義なものを拾ってくだされば幸いです。余談ですが、今回の収録では「音が小さすぎた」点が反省点でした。収録機材の整備が急がれます。

最後に、7月に新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)』を観覧してきました(in新橋演舞場)。こちらも伝統と革新を実践的に行っており、躍動感溢れる動きとともに切ないストーリーが調和した素敵な作品でした。

お盆を迎え、帰省ラッシュが盛んな日々。台風が心配ですが、皆さまもお身体くれぐれも大切になさってお過ごしください。

 

 

 

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【梅雨時期ハイライト―教育・研究・その他―〈第16回〉】2023. 6 .24

気付けば6月も残り少なくなり、2023年も折り返しの時期となりましたが、如何お過ごしでしょうか?

前回から、1ヶ月以上更新が空いてしまい、大変心苦しく思います。「更新せねば…」と思いつつ、日々の物事に翻弄されてしまい、後手後手になっておりました(いい加減、ここらで改めねば…)。

さて、身辺状況ですが、本務校ではこの時期、教育実習(保育実習)が6月初旬から2週間実施され、学生たちは県内の保育園(認定こども園)にそれぞれ配属され、悪戦苦闘しつつも保育者の第一歩として、現場で様々なことを学びます。先週末に無事、実習は終わり、学生の皆さんは一皮むけた、たくましい姿で帰ってきました。

教員も「巡回指導」として、実習先での学生たちの様子を見に、各地域の担当を割り振られ、県内を飛び回っておりました。私自身、今回は県北担当だったため、おとなりの県に隣接するところまで行っておりました(高速道路を使って約1時間)。もう一歩、足を進めると、懐かしい前職の地へと辿り着く、そのような場所へと行っておりました。

研究の方は、今秋~冬に刊行予定の『谷口喜作著作選』(松籟社)の編集&執筆作業に明け暮れていました。想定内ではありますが、普段の授業とその準備、校務全般や他の研究との兼ね合いもあるため、なかなか容易に進まず遅滞気味であることは否めません。現在も佳境にありながらも「このクオリティで本当に良いのか」と自問自答しつつ、それでも進めねば始まらないため、半ば勢いと叱咤激励を織り交ぜながら取り組んでいる最中です(「走れメロス」のセリヌンティウスのもとへ、叱咤激励しながら走るメロスみたいなシチュエーション)。

その他、幼児教育保育関連の共著も一冊、現在刊行に向けて進めており、こちらは晩秋あたりの刊行予定となります(まだほとんど執筆していないので、どうしようと思いつつ、でもそろそろきちんとやらねばと思っている今日この頃です…)。

あとは7月と9月の学会&研究会への発表準備も進めている最中です。こちらは「文学の汎用性」を基軸とした、キャラクターコンテンツ×地域創生×物語の再構築といった視点からの、研究継続中の物事(『温泉むすめ』などの表象文化研究)です。既に論文や学会発表といった実装から4~5年が経ちますので、何とも感慨深く思います。

そもそも文学研究者(国文学研究者)がこのような、いわば社会学の領域に思い切り足を突っ込んで研究することは、今のところかなり少ないのが現状です。今後どのような展開になるのか、興味深く思っています(メディア系文学研究、文理融合研究といった感じでしょうか)。ただ、それ以前に、そもそも文学研究者自身が表象(ポップカルチャー)に追いついていない点も指摘されます(私自身、この点は折々の場面で述べているところです。自戒を込めて)。

フィールドワークにおいても、キャラクターコンテンツ関連では、5月に大子温泉、6月に永田町(星陵会館)で開催された『温泉むすめ』トークイベントに参加してきました。都心でのイベントは約3年半ぶりとのことで、会場は熱気に包まれていました。大子・永田町ともにチケットはSOLD-OUTとなっており、注目の高さはもとより、継続した地域創生を主眼とした取り組みが異彩を放ちます。一過性に陥りやすいコンテンツのよくあるパターンを、信念を持って回避している運営者側の見えない領域での努力が伝わってきます。

その他、大学の地域連携センター(本年4月より「地域連携研究支援センター」と改称)の産学官連携プロジェクト(「水戸の観光土産品付加価値創出事業(わくわくプロジェクト)」)は大団円を迎え、ホッとしているところです。3次元での地域創生の取り組みは初めてでしたので、学生たちと試行錯誤しつつ、それでもどうにか試作品まで辿り着いた、有意義な一年間でした。今後、各種の地域メディアでも取り上げられそうです(既にラジオ出演が決定しました!)。

オンデマンド公開シンポジウム(第3弾)においては、既にゲストも決定し、現在打ち合わせを始めているところです(来月には告知予定)。次はどのような方が登壇し、ご自身の領域から色々とお話しくださるのか、乞うご期待下さい。

まだまだ、書きたいことがあるのですが(ChatGPTとか)、今回はこれにて擱筆です。

梅雨時期、不快指数の高い日々、皆さまも体調管理にはくれぐれもお気を付けて。

下の写真は、それぞれ『温泉むすめ』トークイベント(in永田町)、秋葉原駅アトレ(スクフェス感謝祭)、本務校にて開催された「ホームカミングデー(開催前)」の様子です☆

 

 

 

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【駆け抜けたG.W―ほぼ仕込み完了―〈第15回〉】2023. 5 .7

2023年のG.Wも本日が最終日となりました。

皆さん、いかがお過しでしょうか?

大学も明日から通常授業が始まります。連休明けは学内業務関連メールもどしどし届くことが予想され、このブログを書いている現在、既に明日の通常モードへの切り替えスイッチが半分発動している感覚です(苦笑)。

今回、このG.W中は自身の研究関係メインで動いていました(in都内)。渡辺研究室YouTubeチャンネルでの、第3弾以降のオンデマンド公開シンポジウム関連の企画設定、そこに付随するゲスト候補者のリサーチ(何名か、ご一緒できそうな方がいました)、具体的な実動時期の見極めなど、多角的な視点で可能の是非も含め、進めていました。

もちろん、それだけではなく、締め切りピンチな論文執筆はもとより今夏~秋に発表予定の学会発表骨子づくり、その他、研究者との打ち合わせ&情報交換も並行して行っていました。

ちなみに、連休中の都内の宿ですが、値段が強気に設定されており、なかなか難儀しました。いつも宿泊しているホテルはコロナ禍前よりも値段がはね上がっており、インバウンドにハンドルを切った価格帯を体感しました(しかも満室が多かった…)。

都内滞在中、宿では専ら論文執筆をメインに(超難産でした)、夜は研究者との打ち合わせ&大学時代の後輩、さらには友人知人と会い、それはそれで良いガス抜きとなりました。

今年度は書籍3冊(単著1、共著2)刊行予定ですので(もちろん単発論文は別に執筆〈3~4本〉)、そちらにメインパワーを注ぎつつ、すき間産業ではありませんが、その狭間に上記のオンデマンド公開シンポジウム第3弾以降を進めたいと考えています。

その他、本学の夏のオープンカレッジ(市民講座)にも携わる可能性があるため、こちらの準備も意識しつつな状況でしょうか。人文学から見た、地域創生×キャラクターコンテンツの軸は変わらず、G.W中にリサーチした内容なども反映できればと思います。

楽屋裏の話となりますが、いつも企画で悩むのは、ゲストとなる方の候補者選定です。端的に言うと「アカデミックとの親和性」です。もちろん、こちらで進行台本はもとより事前の打ち合わせを重ねての実施となりますが、そもそも敷居が高く、何となく寄りつきにくいという現状があります。そこをいかにして、こちら側が敷居を下げて、極力、研究領域に特化しない形で、ゲストの今までの経験や活動、さらには熱量を引き出せるか。楽しくも有意義な90分間の創出が試されます。

また、ゲストの方には、敷居の高さに物怖じしない、ある程度の度胸と知識、異色(未知)の領域でも楽しめる姿勢(好奇心)がうかがえる方を優先し、決定しています(特に第3弾以降の企画~)。意外に途中から自信がなくなり、結果、フェードアウトしてしまったことも選定段階において何度かありました。あとは「ご縁」という点も挙げられます。

「ご縁」というのは本当にどこでどうつながるのか、全く分かりません。ですが、きっと目には見えないものが重なり合い、結びつき、結果、形になるものと信じます。G.W中の仕込みはそれなりに収穫があり、少しほっとしています。

今月下旬には、大子町で初となる『温泉むすめ』のイベントも開催されます。地域創生×キャラクターコンテンツの最前線を走るコンテンツの展開を、私自身も現地で体感したいと思います(今から楽しみです)。

写真はG.W後半のもの。メンタル&フィジカル面でのエネルギーチャージをしました。肉の山盛り丼、圧巻でした。

皆さまも明日からの学校、お仕事など、それぞれの持ち場でお取り組み下さい。私も頑張ります☆

 

 

 

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【新年度、1ヶ月経過しました―G.Wの仕込み研究― 〈第14回〉】2023. 5.1

新年度がスタートし、早一ヶ月が経過しました(更新が滞ってしまいました…)。

G.Wにも入り、新社会人や学生の皆さんも慣れない環境でようやくホッとできる「息継ぎ」的な期間を迎えられたかと思います。

私自身も、オリエンテーション・ガイダンスから授業開始まで、怒濤のハードスケジュールでした。学内業務においても新たな委員会の委員となり、より責任を担う役割へとシフトした状態です。

併せて、この新年度から大学で開講した「認定絵本士」講座のコーディネーターを務めることとなり、準備や調整、運用などで手探りかつ臨機応変な対応にも追われる日々でした。現在は講座も第3回目を終え、軌道に乗りつつある状態です。

絵本の読み聞かせにも、こうした資格が実装され、より質の高い保育士養成の一環として、全国の保育士養成校を中心とした大学での申請数が増加しています。

うちの大学(短大)でも、昨年度から水面下で書類申請を進め、結果、茨城県内初の認定絵本士講座開講へと漕ぎ着けました。今後、近隣の保育士養成校などの大学でも申請が進むものと想定されます。いずれにせよ、現場での幼児教育の充実へと繋がることを念じてやみません。

その他、新年度のオリエンテーション・ガイダンス真っ最中のなかでしたが、NHK水戸放送局で放送されている「いばっちゃお」という番組に生放送で出演させていただきました。

大学とスタジオを生中継で放送されたのですが、この日(4/7)は朝から強風で、キャスターさん始め、スタッフの方達は大変な中、準備やリハなどを行っていました。

私自身は、担当している「水戸の観光土産品付加価値創出事業(わくわくプロジェクト)」の概要紹介として出演し、指導する学生たちが具体的な取り組みを説明してくれました。約3分間という限られた時間の中で話す大変さを改めて体感しました。

あとは、つい昨日ですが、幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議2023」にも参加し、楽しくも有意義な刺激を体感してきました。

スケジュールとスケジュールの狭間の時間をどうにかやり繰りし、滞在時間は1時間弱でしたが、会場の熱気や久しぶりの幕張メッセにも嬉しさを覚えたひとときでした。

既にTwitterにUPしていますが、茨城県公認Vtuber「茨ひより」のレイヤーを務めるさくらさんや、オタク地方議員で有名な(先日、3期目の当選を果たした)おぎの稔さんなどにもお会いしてきました。

キャラクターコンテンツと地域創生、そこから再構築される物語―。さらには、その物語生成に接続するコスプレイヤーと化粧行動(モデルとしてのレイヤーの位置づけ)など、「物語」をキーワードに人文学(国文学)といった、従来ではほぼ皆無な領域から(領域としては社会学のため)、あえて考察してきましたが(自身のYouTubeチャンネル第1弾配信参照)、その余地や意義はまだまだあるかと考えます。

自身のYouTubeチャンネルも次回は第3弾(初夏あたり配信予定)となりますが、第4弾以降の企画を考える上でも、昨日の「ニコニコ超会議2023」参加は良いインスピレーションとなりました。

企画具現化のための、水面下でのリサーチや視察は継続しつつ、自身の根本となる日本近代文学の研究(幸田露伴)や、今秋に刊行予定の『谷口喜作著作選』(松籟社)の編集などもしっかり進めていきたいと思います。

また、今月下旬に大子町で開催の『温泉むすめ』「大子温泉ミニトークイベント」でも良い刺激を得られればと思います。キャラクターコンテンツと地域創生の実装を着実に展開する『温泉むすめ』。こうした現象を研究領域から把捉し、今年度の学会発表や論文化へと生かして参る所存です。

徐々に気温が上がり、蒸し暑くなる日々。皆さまも、お身体くれぐれも大切になさってG.W後半をお過ごしください。

下の写真は、本学の認定絵本士ポスターと、水戸放送局「いばっちゃお」生中継時(キャスター・西野侑里さん)、そして昨日のニコニコ超会議にて「茨ひより」のコスプレイヤー(さくらさん)との写真です☆

コロナ禍も5類に間もなく移行しますが、少しでも地域が元気になりますように。

 

 

 

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【新年度を迎えました―研究教育の新たなフェーズへ―〈第13回〉】2023. 4. 2

いよいよ2023年度を迎え、新生活を始める方も多い今日この頃かと思います。

学生は入学式、社会人は入社式を迎えるわけですが、いつの時代もこの新年度幕開けの時期はとりわけ、不安や希望の交錯する時期ではないでしょうか。春を彩る桜満開の雰囲気のなか、しかし一種の凛と張り詰めた緊張感も漂う、清新な時期でもあります。

自身の勤務校も明日、入学式を迎えます。

つい2週間ほど前、卒業式で新天地へ飛び立つ学生たちを見送ったばかりなのですが、感慨に浸る間もなく(本当にあっという間に)、また新たな学生との出会いが始まります。

大学内の年間行事(学年歴)は一年一年、骨子はさほど変わりませんが(コロナ禍では変則的でしたが)、そこに集う学生によっては、内実は一年ごとにまるで違ってきます。おとなしい学年や元気な学年など、教員側も毎年度、ふたを開けてみなければ分からない、そうした物事を経験しています。

さて、先週はオンデマンド公開シンポジウム「和菓子と文人墨客―うさぎや二代目店主・谷口喜作と本の装丁―」を配信しましたが、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います(まだの方は是非、お手すきの際にでもご笑覧下さい)。渡辺研究室のYouTubeチャンネルとしては第二弾となる公開シンポです。

ご承知の通り、上野に所在する「うさぎや」は今年で創業110周年を迎える老舗の和菓子屋です。看板商品のどら焼きは「東京三大どら焼き」の一つとしても認知され、長らく親しまれております。テレビや雑誌などメディアの取材も数えきれず、様々な場面でも目にすることが多いかと思います。

現店主の谷口拓也さんとは、昨年の早い時期に「もしよろしければ、渡辺研究室YouTubeチャンネルを開設しますので、公開シンポジウムはいかがでしょうか?」といった、そんなやり取りから始まりました。その後、第一弾の公開シンポを無事に終えた直後から本格的に打ち合わせを重ね、第二弾として開催へと漕ぎ着けました。今回も編集関連では森覚先生に大変お世話になりました。

今回は正直、かなり綱渡りの収録となりました。開始3~4分は粗い画像となってしまいましたが、実はメインのカメラとサブのカメラの両方が機材トラブルを起こしてしまい、結果、万が一の保険で録画していたZoomの映像を使用するという、何とも危ない状況でした(機材トラブルの原因は未だ不明)。

今までも含め、結果オーライな部分が多いのですが、それでも今回はいつになく綱渡りな度合いが高い状況でした(反省)。次回以降は機材の事前チェックの充実を図らねばと考えております。なお、第三弾となるオンデマンド公開シンポジウムも既に進めていますが、情報解禁まで暫しお待ち下さい。

新年度は研究教育をさらに推進させるべく、公開シンポでも告知した『谷口喜作著作選』(松籟社、今秋あたり刊行)を中心に、その他、共著2冊、論文(3~4本)、学会発表&研究会発表、公開シンポ(第三弾~)、など積極的に形にしていく考えです。その途上で、新たな出会いやご縁もできてくるのかもしれません。

研究における「産みの苦しみ」は計り知れない苦悩(+ 絶望や挫折なども)を伴いますが、それでもそれを乗り越えた際には、今までの苦悩は解放されますので、毎回分かってはいるのですが、辛くてもそこに取り組むわけです。つまり、研究への歓びが辛さよりも上回っているからこそ(若干でも)、取り組めるものと体感しております。

私自身、2011年度末に学位取得し、東日本大震災の傷跡が色濃く残る4月、神奈川県の私立高校に着任しましたが、そこからが母校の大学院を完全に離れた、本格的な独り立ち――武者修行の第一歩でした。その後、先の見えない真っ暗闇なトンネルを歩き続けてきました。

毎年、新年度を迎えるたび、12年前の「これから先、果たして研究者としてやっていけるのだろうか(=専任の身分の研究者に辿り着けるだろうか?)」といった、漠然とした不安を抱えながら手探りで、それでも前向きに心を立て替え進んでいった、あの時の気持ちを改めて思い返します。

大学教員となった現在も武者修行の気持ちは変わっておらず、常にチャレンジする姿勢は堅持しています。少子化が確実に進行する中、大学教育を始めとした学校教育関連の職業は間違いなく斜陽産業ですので、その中でどう生き残るか(先日も恵泉女学園大学が学生募集停止とのニュースが流れました)、待ったなしの問題です。

特に即戦力との接続性が希薄な(形にしにくい、説明しにくい、理解されにくい)文学研究は何かと風当たりも強く、学部の統廃合は顕著です。だからこそ、文学研究者自身も従来の感覚では通用しなくなってきていることを自覚し、文学の持つ力や有用性(=汎用性)を市井の方達にも認知してもらえるための情報発信は非常に求められていると考えます。

私自身、所属する幼児教育保育学科の知見を踏まえ、言語表現(幼児教育5領域の1つ)を軸に新たな研究を開陳できればと考えています。現在は化学変化の度合いを見ている感じでしょうか。どの程度まで、変化し有用性が担保されるのか、見極めつつも時期が来れば論文として提示したいと思います。なお、うちの大学もこの新年度より、県内初となる「認定絵本士」講座を開設します(この情報については別途、つれづれブログに書きます)。

よく折々に述べていますが、作家論や作品論を基盤としつつ、その知見を踏まえた「文学の汎用性」を新年度も引き続き、追究していきたいと思います。まだまだ想像できないほどの可能性や裾野の広がりがありますので。

新年度の慌ただしい時期ですが、どうぞ皆さまも良き緊張感と清新さを持ちつつ、有意義な日々を過ごされますように。

下の写真は、先月の公開シンポの様子。もう一枚は、こちらも先月劇場公開された『シン・仮面ライダー』のパンフ(公開3日目に行ってきました)。本郷猛の苦悩と覚悟、ルリ子の芯の強さなど、現代的にリメイクされつつも原作へのリスペクトを感じさせる作品でした。

 

 

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【気付けば雛まつりを終えて―2月のハイライト―〈第12回〉】2023. 3. 9

気付けば、前回の「つれづれブログ」と同じパターンとなっており、何ら学習能力が働かずに丸1ヶ月更新が滞ってしまい、光ファイバー並みの時の流れと日々の多忙さに翻弄されている今日この頃です。

周知の如く、3月は卒業式シーズンであり、新天地へ向かう人たちも多いかと思います。うちの学生たちも不安と希望を抱えながら、4月よりいよいよ保育士・幼稚園教諭として最前線の現場での日々が始まります。

併せて、引っ越しもピーク期を迎えている状態ですが、そのせいか、昨日たまたま「ガムテープ」を買おうとホームセンターへ行ったものの、売り切れていました。仕方なく、近くのコンビニで買おうとしましたが、何とこちらも売り切れ。引っ越しするわけではないので、すぐに買わねばならない緊急性はないものの、ガムテープの有無から、思わず季節を実感してしまいました。

さて、前回のブログ以降ですが、2月は入試業務を始め、新年度の準備(4月の新入生オリエンテーション・ガイダンス)、自身の締め切り迫る研究関係(初校ゲラ戻し×3本、共著1冊の手直し修正、3/25配信予定の公開シンポジウム関連の準備など)、保育実習の巡回指導(1年生。県内各地を飛び回っていました)、そして常磐大学オープレカレッジ(秋冬)の講座収録「キャラクターコンテンツと物語の再構築―『温泉むすめ』を視座として―」〈オンデマンド配信〉(2023年2月15、22日、3月1日、計3回)が挙げられます。オープンカレッジをご視聴の皆様には、心より御礼申し上げます(最後のスライド、間違えて春夏のタイトルを出してしまいました、すみません)。

3月初旬は、教授会や学科会、各種委員会(年度末は通常よりも開催時期が早い)出席、学科教員の送別会(幹事&司会担当)、新年度開始前の学科別集会(新2年生への就職説明会など)、FD研修(今年度は私が発表者&ファシリテーターでした)、次年度に向けた新たな授業準備(「認定絵本士」講座の開講準備、私がコーディネーター就任となります…(不安しかない))などなど、色々と学内業務を中心に動いていました。

学外では、2月下旬に産学連携に関する市の協働推進委員会の委員(有識者メンバー)としての委嘱を市長から受け、今まで以上に地域創生に関する意識が高まっています。自身の『温泉むすめ』を始めとした研究や大学の地域連携センターでの取り組み(市の観光土産品付加価値創出事業)などがこうしたご縁となった次第です。非常に身の引き締まる思いです。

ここ1、2カ月、部屋の片隅にある「プレステ5」や「任天堂スイッチ」を横目に、思いきり遊びたい気分(現実逃避したい気分)と戦いながら、どうにかこうにか踏みとどまって現在に到っています(遊んでもせいぜい夜中の30分~1時間程度が限界)。直近では『ライザのアトリエ3』がとても気になっています。

今週末には、地方へフィールドワークに行ってきます。今の時期を逃すと、次はいつになることやらといった予測から、足りない時間の中、スケジュールを無理矢理こじ開けて決定しました(たぶんまた強行スケジュール)。その道中に大学時代、教職でお世話になった先生にも十数年ぶりにお会いする予定で、今から楽しみです(現在は、今年の箱根駅伝で1区を激走した育英大学で教鞭を執られています)。

そういえば、2月に今年度の科研費、最後の出張として、島根県立大学の山根繁樹研究室へお邪魔させて頂きました(近々、研究活動報告でもUP予定)。

山根先生とは、前々職である松江高専・国語科の同僚(当時、国語科主任をされていました)として、様々な面で大変お世話になりました。現在は県立大学の教授としてご活躍なさっています(専攻は日本近代文学で、日野啓三の研究が中心)。

一泊二日かつ分刻みのスケジュールでしたが、それでも科研費「高専当事者エスノグラフィ」に関する知見を、約四半世紀奉職された松江高専でのご経験をもとに、有意義なヒアリングをさせて頂きました。

途中から、同じく同僚であった松江高専の大西永昭先生(現・国語科主任)も駆けつけてくださり、このメンバーとしては、まさに「久闊を叙す」有意義なひとときとなりました。2014~16年度の松江高専・国語科は、この3名が専任教員としてそれぞれ分担して「日本語(国語)」や「日本語表現」といった授業を行っていました。

また、私自身にとって、松江高専は初めて研究者として専任の身分となった場でもあり、大変意義深い場でもあります。文系研究者は、大学院卒業後いきなり大学の専任教員(助教や講師など)になることは非常に困難であり(ブランド大学出身で、非常に優れた業績などがあれば別ですが)、若手研究者としては高専が有力な登竜門であることは、今も昔もさほど変わっていないかと思われます(あまり世間には知られていませんが、文系研究者の受け皿は悲惨なほどに少ないのです(特に国文学など)。しかも少子化のため、確実に「斜陽産業」となっています…)。

こうした久闊を叙しながら、ヒアリングで得た知見を少しでもこれからの高専教育や研究に対する、改善や新たな可能性としてつなげられれば幸いです。

ちなみに、先週に続き、今週も都内へ出張です。そして、上記の如くそのまま地方へ向かいます。その間に次なる締め切りが複数迫りつつあるので、こちらもこなしつつの同時進行です(果たして間に合うのだろうか??(← いつもの通り、人ごとのような感覚))。

今月25日配信予定のオンデマンド公開シンポジウムも無事に収録を終えました(つい数日前に)。あとは編集作業を経て、皆様にご覧頂ければと思います。第一弾はコスプレイヤーと化粧行動についてでしたが、今回の第二弾は全く趣を変えた、和菓子と文人墨客についてです。既にTwitterでも告知していますが、「東京三大どら焼き」の一つである「うさぎや」四代目店主・谷口拓也さんをゲストに迎えての公開シンポです。直系子孫が初めて明かすお話もあるかと思います。どうぞ、お楽しみに。

季節の変わり目、花粉が飛び交う日々ですが、皆様も体調管理などくれぐれもお気を付け下さいますように。

下の写真は島根県立大学・松江キャンパスです(分刻みスケジュールのため、写真が撮れず(涙)、大学HPより引用させていただきました。 https://portraits.niad.ac.jp/)。

 

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【気付けば節分や立春を迎えて―1月のハイライト―〈第11回〉】2023. 2. 5

前回の「つれづれブログ」が新年の挨拶となっており、丸1ヶ月更新ができておらず、改めて慌ただしい1月だった…と思う今日この頃です。

既に節分や立春も過ぎ去り、私大は入試シーズン本番を迎えつつあります。自身の勤務する大学でもご多分に漏れず、入試業務がこれから始まります。全国の受験生、がんばれ! と陰ながら声援を送りたいと思います。

ちなみに、1月は多忙すぎて、自宅のベッドに入って寝た回数が1桁台という、数えられるほどの状態であり、不健康な日々でした(反省)。

大学入学共通テストに関する業務や期末試験の採点&成績処理、昨年末に書いた論文の初校ゲラ手直し(3本)、2月から3週連続で行う常磐大学オープレカレッジ(市民講座)の準備、来月配信予定のオンデマンド公開シンポジウム(第2弾となります)の打ち合わせ&準備、地域連携センターと水戸市観光課による土産品付加価値創出事業のワークショップ(下旬には学生たちと「梅まつり」で試作品提示&アンケート調査を実施)、学内業務(新年度のオリエンテーション・ガイダンスの日程編成、教授会や各種委員会への出席)などなど、色々とやらねばならない重要事項に見舞われていました。

あくまで上記は代表的な物事のみを挙げていますが、細かい物事を挙げるとキリが無いため、省略割愛いたします(振り返ると結構、ぞっとします…苦笑)。

来週からは、現在、1年生が2/1から行っている施設実習の巡回指導で、学科の教員は県内を飛び回ります。保育士資格や幼稚園教諭免許を取得する学生にとっては、非常に重要な期間となります。こちらも先程の受験生同様、実習生がんばれ! と陰ながら声援を送りたいと思います。

昨日(2/4)は『有馬節分会』が行われ、久しぶりの対面での実施で、SNS越しですが、盛り上がっている雰囲気が伝わってきました。また『温泉むすめ』のイベントでは、1部がWEB配信で、2部は現地でのイベントというハイブリッドな形で行われました。私自身、ギリギリまでスケジュール調整を試みていましたが、残念ながら現地参加は叶わず、1部のWEB配信を視聴しました(楽しいひとときでした)。

『温泉むすめ』は最近、「御泉印」も作られ、各地の温泉地で広がりつつあるようです。温泉の神様という物語世界が背景にあるからこそ、宗教表象としての展開が手堅く成されているものと考えます。

2/7には『宿フェス』が東京ビッグサイトで開催され、そちらにも『温泉むすめ』の各温泉地がエントリーされるようで、面白そうです。何もなければ、現地へ足を運びたかったのですが、あいにく勤務校での入試があり、残念ながらの断念となりました。

なかなか現地へ行くタイミングが合いませんが、5月のG.W明けには、コロナも5類の扱いに移行する予定ですので、対面でのイベントなどもより活性化するものと推察されます。そうした際に現地参加できればと思います。

まずは直近の常磐大学オープンカレッジの資料作成が急務です。

その他、京都&大阪にて出版関係の打ち合わせ、科研費関連(ヒアリング)で山陰地方への出張も入ってきますので、油断すると瞬く間に不夜城な研究室となります。そうならないよう、最大限、前倒しする意識でやっていきたいと思います。

皆さんも体調管理に留意しつつ、日々お過ごし下さい。

下の写真は、上野「うさぎや」のどら焼き。上品な甘さや生地のほどよい食感など、とても美味しかったです。「東京三大どら焼き」の1つとして多くの人に親しまれています。

 

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【謹賀新年―2023癸卯―〈第10回〉】2023. 1.4

ブログをご覧の皆様

新年あけましておめでとうございます。

本年が皆様にとって、有意義な一年となりますように。

どうぞ、今年も宜しくお願い致します。

 

年末年始は、まさに「研究者冥利」に尽きる日々でした。そう、「締め切り地獄」に苛まれ、それでもどうにかDEADラインすれすれに生還を果たしたといった状態でした。

年末の12/26を以て、大学での授業を終えたのですが、それ以降はひたすら論文を書いていました。

もちろん、既に事前に進めてはいたのですが、予想外に難産で時間を取られてしまい、結果、大晦日までひたすら論文を書いている有様でした。

ちなみに、論文は2本(共著への掲載1本、論文雑誌への掲載1本)の締め切りを意識しての取り組みでしたので、ハードでした。幸いにも、論文の1本は「最悪、お正月の間に提出」ということでしたので、そこに甘えてどうにか完了した次第です。

大学は明後日から年始の授業開始となり、そのまま3連休に入りますが、その期間を利用して都内へ出張してきます。研究者仲間と定期的に打ち合わせをしていますが、2023年最初の研究会となります。

既に、新年度以降の研究の道筋は組み立て終えていますが、微細な詰めなどは進めていく中で固まっていくため、適宜、修正を重ねつつ行います。

昨年はチャレンジした一年でしたが、今年はそのチャレンジしたことを充実させるべく、さらなる裾野を広げていければと考えています。

あと少しで、常磐短期大学 渡辺研究室主催の第2回目となる、オンデマンド公開シンポジウムの詳細もUPできると思います。今年の干支と非常に関わりのある内容になるかと思います。

その他、2~3月に開講する常磐大学オープレカレッジの準備も進めています。『温泉むすめ』を始めとしたキャラクターコンテンツの研究もより充実させていきます。

一日48時間にならないか、とファンタジーのようなことを思いつつ、限られた時間の中で今年も「すき間産業」を最大限駆使して、研究に教育に邁進していきたいと思います。

どうぞ、引き続き、こちらのブログにもお気軽にお立ち寄り下さい☆

 

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【寅年・2022年を振り返っての雑感〈第9回〉】2022. 12.29

間もなく、2022年も終わりますが、皆さんにとって、どのような一年間だったでしょうか。

私自身、結果的に寅年にあやかってか、研究教育において、まさに「トライした一年間」となりました。

まずは、「文学の汎用性」の具現化として、オンデマンド公開シンポジウムの実施(「仏像とフィギュア」(5月)、「仏教絵本からライトノベルまで」(8月)、「メディアが生成する仮想現実と物語」(11月))がトライした物事として大きかったかと思います。

続いて、常磐大学オープンカレッジの講座担当(「温泉と人をつなぐもの」(7月)、「キャラクターコンテンツと物語の再構築」(2023年2~3月 開講予定))、これも初めての経験であり、大学の市民講座に『温泉むすめ』を扱うといった画期的なトライでもありました。このことと並行して、4月から現在まで続いている「水戸市観光土産品付加価値創出事業(わくわくプロジェクト)」の担当も、自身の地域創生(2次元から3次元へ)研究の裾野拡大となりました(オープンカレッジも「わくわくプロジェクト」も常磐大学地域連携センターが担当・窓口となって動いています)。

さらには、学会(東北芸術文化学会)や研究会(地域コンテンツ研究会、仏教文化におけるメディア研究会)における、人文学から見た表象文化の研究発表(『温泉むすめ』や『御室ムスメ』など)、併せて、学会誌や所属大学の研究紀要への論文執筆(これは2023年3月頃に論文雑誌として掲載予定)といった、従来通りの学会発表と論文執筆という「文学の汎用性」としての土台ともいえる取り組みが、上記に挙げたトライする物事への底支えとなっています。

あとは、上記の物事を進める上で、新たな方たちとの出会いも複数生まれ、良き刺激となりました(久しぶりの対面での学会や研究会、オンデマンド公開シンポジウムや『温泉むすめ』関連のフィールドワークなどの場面において)。

そして、このHPの開設も大きなトライでした。

既に「HP開設のご挨拶」(「研究活動報告」の項目ご参照)でも述べていますが、自身の文学研究に関するWEB上での情報発信の必要性は、SNSの普及と共に数年前から感じていた次第です。

HPにはTwitterも貼り付けながら極力、リアルタイムを意識した情報発信を試みてきましたが、如何せん日々の大学業務や雑事に追われつつの更新でしたので、明年はより充実させていければと考えています(HP内に貼り付けたresearchmapとの紐付けから、拙稿のPDF化を行うなど)。

以上が寅年における「トライ」した研究関連事項となります。もっと細かく振り返ると、あと数千字書かねばならなくなるため、ここで留めたいと思いますが(笑)、日々の研鑽をいかに論文や学会発表を核として、公開シンポジウムやSNSなどWEB上にまで波及&展開させ、情報発信していけるか。そこからさらに新たな研究領域開陳へと到れるのか。そこに「文学の汎用性」の意義もあるものと考えます。

直近の自身のTwitterでもつぶやきましたが、博士号取得者を対象とした「博士アイドル化計画」(http://phd-idol-project.com/#/)など、こうした事象が表出し始めていることは、是非はともあれ、一般の方が研究者の物事を理解する縁(よすが)になればと思います(ただし、やり方次第では自身の首を絞めてしまう可能性もありますが)。今後の動向を注視したいと思います(一つ気になるのは、この企画へエントリーしたメンバ―に「文学研究者(日本近代文学など)」は見当たらず(日本語学関連の方はいましたが)、理系偏重となっている点でしょうか)。

さて、明年は卯(うさぎ)年を迎えますが、さらなる研究教育の推進を具現化していきたいと考えています。「トライ」の年から、目標へと卯のように飛び跳ねる(「ジャンプ」する)1年にできればと、既に水面下で色々と動いています。

その第一歩として、既に少しこのブログでも触れましたが、第2弾となる『常磐短期大学 渡辺賢治研究室 オンデマンド公開シンポジウム』を3月に開催予定です(それと連動した一般書籍も秋頃に刊行予定です)。第1弾のコスプレイヤーを扱った内容とは、かなり趣を異にした内容になるかと思います。どうぞ、お楽しみに。

その他、幸田露伴研究や文学と表象文化、国語教育(大学生の文章表現)関連についても形になるよう新たに示していきたいと考えています。

どうぞ、皆様も年末年始、体調管理に留意しつつ、有意義にお過ごし下さいますように☆

(下の写真は先月、横浜に行った際のもの。分刻みのスケジュールだったため、中華街での滞在時間わずか10分でした…)

 

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【久しぶりの古巣へ(in 福島県)〈第8回〉】2022. 11.12

442年ぶりの皆既月食×惑星食を見て、天体のロマンを感じつつ、その一方で、徐々に迫る原稿等の締め切りにロマンの欠片も感じない日々ですが、皆さん、如何お過ごしでしょうか。

先日、久しぶりに古巣(前任校)の福島高専にお邪魔しました。

福島高専・磐陽祭(=高専祭)の無線通信部のラジオゲストとして出演してきました。

過去にも、福島高専在職中に2度ほど同部ラジオのゲスト出演をさせていただいていましたので、今回は通算3回目となります。

タイムスケジュールとしては「フィナーレ」前の「トリ」的な位置にあったようで、大変恐縮でした。元教え子&同僚の教職員にもお会いでき、楽しいひとときでした。

「自分を声ろ! Say! You!コンテスト」なるコーナーでの審査員として、エントリーされた学生たちの様々な「声」を聞かせていただきました。どの声も個性的でしたが、中でも『ブラックジャック』など諸作品で有名な声優・大塚明夫さんそっくり声の学生がいて、私も周囲も大変驚きました。思わず「声優オーディションにチャレンジした方がいいよ!」と発言した次第です。

あっという間の1時間でしたが、ラジオのブース周辺が公開生放送を聞く方達で溢れており、皆さん楽しんでくれたようでした。

コロナ禍により、3年ぶりの対面での磐陽祭開催ということで、事前登録など人数制限はあったものの高専内は久しぶりの活気に満ち溢れていました。

その後、夕刻にはいわき湯本温泉へ向かい、旅館「こいと」に宿泊。

旅館「こいと」に宿泊するのも久しぶりで、『温泉むすめ』を推奨するキーマンの宗像さんとも再会し、旅館のBarラウンジでその後の活動をお聞きしました(翌日、女将さんとも再会できました)。

キャラクターコンテンツ×地域創生を取り組む中、とりわけ「コスプレイヤーが楽しめる宿」として、様々な企画を立てており、私が伺った際にも複数のレイヤーさんたちがBarで楽しいひとときを過ごしていました。前回(数年前)、宿泊した際にはほとんど見られなかった光景です。

こうした取り組み&定着が地元の観光協会にも伝わり、現在では協力体制のもと、地元の芸術ホール(いわきアリオス)の使用も可能となり、また様々な場所での撮影許可も下りるようになっているようです。ちなみに、温泉街のコンビニにも普通にレイヤーさんがコスブレしたまま利用されていました。宗像さんの縦横無尽な活動ぶりに脱帽した次第です。

さらに今では、宗像さんの後に続くポスト・キーマンとなる方々も出始めているようです。こうした取り組みで重要なのは「いかに仲間を増やし継続&継承していけるか」に尽きます。折々に私が論文や学会発表で述べている「『老舗』コンテンツ」へと向かっていく、まさに地元側からの取り組みと言えます。

なお、予約の取れた部屋は『温泉むすめ』のキャラ「いわきあろは」をモチーフにした「あろはルーム」で、こちらも満喫しました(初体験でした)。全国各地、こうしたコンセプトで個性的な宿泊部屋を創出する企画が密かに増えているようです(例:福井県では、某宿で「恐竜部屋」(恐竜好きにはたまらない)などもあるようです)。

過密スケジュールな1泊2日でしたが、温泉にも入り、いわきの名産「メヒカリ」や地酒もしっかり堪能しました。

引き続き、フィールドワークを始めキャラクターコンテンツの研究を進め、着実に形にしていきたいと思います。

 

 

 

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【文学関係フィールドワーク(in 石川県)〈第7回〉】2022. 10. 30

10月も残り僅かとなりました。

2022年も残り2ヶ月…本当に早いですね。

所属する大学では、先週、大学祭が行われ、久しぶりに対面での実施となりました。感染症対策を徹底しつつ、どうにか無事に終えました。

ちなみに、本日は『水戸黄門漫遊マラソン大会』が市内で開催され、秋晴れのもと、多数のランナーが市内を周遊もとい「漫遊」するようです。各地でもマラソン大会やハロウィンを始め各種イベントなど、様々な催しが行われているようで、まさに芸術(イベント)の秋・スポーツの秋な季節ですね。

さて、こちらは既にTwitterにもUPしましたが、石川県加賀市大聖寺に所在する「深田久弥 山の文化館」を訪問し、フィールドワークを行ってきました。

現在開催中の「谷口喜作と深田久弥」展を、上野「うさぎや」店主・谷口拓也さんとご一緒させていただき、職員の方から貴重なお話を伺いました。事務長の大幡様や会員の真栄様におかれましては、ご説明とともに館内もくまなくご案内くださり、本当に有意義な時間でした。

上野「うさぎや」と言えば、「東京三大どら焼き」の一つとして挙げられる有名な老舗和菓子屋ですが、歴代店主は文人墨客との交流が多かったことでも知られています。

今回開催の「谷口喜作と深田久弥」展は、「うさぎや」2代目店主で、現店主・拓也さんの祖父に当たる方です。現在、うさぎやの看板メニューとなっている、どら焼きを発売したのも2代目なのです。深田久弥を始め、芥川龍之介や河東碧梧桐といった錚々たる文人たちとの篤い交流もあり、また喜作自身も俳人として多くの作品を残しています。

こうした文業とともに、本の装丁も行っており、今回の展示はまさにこの喜作の装丁を取り上げた企画となっています。ガラスケースに展示された喜作装丁の深田本(全16点中、15点展示)を拝見したわけですが、どれも味わい深く、凝った作りにもなっており、拓也さんとともに暫し鑑賞していました。

和菓子屋店主としての傍ら、俳句・菓子系の雑誌に歌を始め小説や随筆、紀行文や時評などを折々に発表し、また深田久弥や滝井孝作らの本の装丁も行っており、多才な人物であったと言えます。

このような文化人としての一面も持っていた人物なのですが、現在こうした点は一部の文学愛好家や研究者にしか知られていません。

ちなみに、喜作のお父さん(拓也さんの曾祖父・うさぎや初代店主)も、尾崎紅葉や川上音二郎との交流があり、尾崎紅葉の日記にも時々名前が出てきます。

その他、喜作の双子の弟である平井呈一は永井荷風に師事しており、『吸血鬼ドラキュラ』を翻訳するなど、翻訳家としても有名な方です(なお、呈一の弟子には荒俣宏などがいます)。

文人墨客との交流が世代を越えて脈々と流れている、老舗和菓子屋の「縁(えにし)」の凄さを感じます。私も端くれながら文学研究者ですので、「文学」つながりとして、現店主・拓也さんとの交流もこうした「縁」の一環なのかもしれません。

一泊二日の強行スケジュールでしたが、それでも少し観光もしてきました。以下、ざっとスケジュールを書いてみます(長くてすみません)。

10/26(水)朝6:00に上野・御徒町を出発し、一路、車で羽田空港へ。その後、小松空港へ8:30過ぎに到着し、加賀市大聖寺へ(レンタカーで移動)。移動中、加佐岬へ立ち寄り、灯台とともに大海原を眺望。無事「深田久弥 山の文化館」へ到着し、約4時間滞在。その後、遅い昼食をとり、「九谷焼美術館」へ行くも休館(涙)。「月うさぎの里」へ行くも平日は13:00で終了(早い…)。谷口さんと相談し越境して、福井県の東尋坊へ移動(こちらは平日ながらそこそこ人がいました)。その後、付近の和菓子屋へ移動、福井名物「水ようかん」を買う。夕刻、大聖寺駅前のホテルにチェックインし、すぐさま付近一帯を散策(結構歩きました)。地元の海の幸を使った寿司屋にて一献酌み交わす(海の幸、美味しかったです!)。今回のフィールドワークの感想とともに、今後の谷口喜作の研究について打ち合わせ。寿司屋の隣に数件の飲食店があり、そちらも折角なのでハシゴして、引き続き、喜作関連の打ち合わせ。22:30にホテルへ戻る。その後、渡辺はメールチェックや大学関連の雑務処理を行い、25:00過ぎ就寝。

10/27(木)朝7:30にホテルを出発し、一路、小松空港へ。昨日に続き、本日も北陸一帯は快晴(ただ、朝はやはり寒い…)。10:00前に羽田空港に到着し、谷口さんはそのまま所用で木更津へ移動するとのことで、空港でお別れ。渡辺は品川駅へ移動し、特急に乗車。12:30過ぎに大学の研究室へ到着。午後より打ち合わせや委員会に出席。21:00頃自宅へ無事帰還。ハードスケジュールでした(でも楽しかった)。

2023年は「うさぎや」創業110年を迎えます。

また、現店主・拓也さんの干支でもあり、まさに節目の年となります。

私自身は学術領域から、未だ市井に認知されていない「文化人としての谷口喜作」に関する研究を、目に見える形で発信できればと考えています(現在、水面下で進行中)。

もちろん、それだけではなくメインとなる幸田露伴研究を始め、文学と表象文化に関する研究(『温泉むすめ』、コスプレ、キャラクターコンテンツ&地域創生など)も全力で取り組んでいきます(『温泉むすめ』に関しては、近いうちに一つ、良いご報告ができそうです)。

皆様も体調管理にはお気を付けて。

どうぞ、引き続き、よろしくお願い致します☆

(ご参考までに)

「深田久弥 山の文化館」HP http://www2.kagacable.ne.jp/~yamabun/

上野「うさぎや」HP http://www.ueno-usagiya.jp/

 

 

 

 

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【オンデマンド公開シンポジウム、無事配信!〈第6回〉】2022. 10. 19

10/15(土)14:00より、「常磐短期大学 渡辺賢治 研究室HP 開設記念イベント」として、オンデマンド公開シンポジウム「メディアが生成する仮想現実と物語―コスプレイヤーと化粧行動―」を無事、配信しました。

このブログを読んでいる皆様は、既にご視聴されたでしょうか?

今まで、森覚先生のプラットフォーム(YouTubeチャンネル)をお借りして、公開シンポジウムを折々に行ってきましたが(「サブカルと宗教表現」〈2021年9月〉、「仏像とフィギュア」〈2022年5月〉、「仏教絵本からライトノベルまで」〈2022年8月〉)、ようやく自身のプラットフォームを創設するに到り、今回晴れてその第1弾配信へと漕ぎ着けました。

前回の「つれづれブログ(第5回)」でも少し言及していますが、「文学の汎用性」の一環としての試みであり、自身にとってもチャレンジングな企画でした。

反省点としては、収録前の8~9月にかけて、大学の雑務を筆頭に過密スケジュールだったため、台本執筆が遅れ気味となってしまったことです。綱島さんとは収録前に打ち合わせを何度か行いましたが、企画内容を比較的スムーズに汲み取って下さり、とても助かりました。

楽屋裏の話となりますが、収録後の編集作業は森覚先生に多大なご協力をいただきました。しかもYouTubeにアップロードする段階で、なぜか上手く行かず、何度かリトライしました(原因は、渡辺自身がチャンネル設定で「15分以内の配信」という設定にしていたため…)。

こちら側はまさに「ヒヤヒヤもの」でしたが、何はともあれ、配信日の前日にはどうにかアップロードを完了した次第です(森先生、すみません)。

全てが終わった今、あとはご視聴された皆様が、どのように受け止められるか―この一言に尽きます。

多メディア時代の中を生きる私たちは、相当なメディアからの影響を受けて生きています。各人がメディアの生成する仮想現実(=マンガ、アニメ、ゲームなど)をどのように自らの中でイメージし、受容しているのか。

コスプレイヤーはマンガやアニメ、ゲームなどの物語世界を補完するとともに、自身のモデルとしての意識(身体表現)も併せ持っています。昨今では、コスプレイヤーの市井への認知拡大とメディア露出に伴い、モデルとしての意識やインフルエンサーとしての役割も強くなっている点が挙げられます。

こうした点に関しては、やはり現役コスプレイヤーの率直な意見や認識は重要であり、綱島さんにお聞きした次第です。ちなみに、シンポジウムでは、まだまだ色々とお聞きしたいこと(綱島さんヒストリー)や展開したいこと(声優や役者への言及など)があったのですが、90分という時間制限のため、台本のいくつかの項目はカットしています(涙)。

今後、どのような形でコスプレイヤーが展開し、各人の「物語」を構築していくのか、動向を見守りつつ、いずれまた何か形になるようにできればと思います。

現在は、日々の大学での授業&雑務を行いつつ、今冬~次年度(夏あたり)までの研究計画の骨子を組み立てています。あとはどう「肉付け」を行っていくか、です。

既に第2弾となる、オンデマンド公開シンポジウムの企画も進行中です。

いずれ、タイミングを見計らって告知できればと考えています。

徐々に、寒さが感じられるようになってきた今日この頃、皆様も体調管理などくれぐれもお気を付けて。

 

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【スケジュールの狭間にて~すきま産業と種まき~ 〈第5回〉】2022. 10. 9

現在(10/9朝)、都内のホテルにて、このブログを書いています(少し更新が滞ってしまいました…。今まさに「すきま産業」です(笑))。

先週に続き、今週も別件の研究で動いています(来週末もさらに別件で都内へ…)。

大学での通常業務の傍ら、自身の行っている研究(このHPの「基本情報」にも記している通り、幸田露伴研究始め、文学と表象文化、国語教育(主に文章表現関連)、人文学から見たコンテンツツーリズムなど)も同時進行で色々進めていますが、先月から今月初旬(つい数日前まで)は、まさに「佳境」でした。

とりわけ、既に自身のTwitterや、このHPの「公開シンポジウム」にもUPしている通り、10/15(土)配信のオンデマンド公開シンポジウム「メディアが生成する仮想現実と物語―コスプレイヤーと化粧行動―」の収録がメインでした。

並行して、次年度に出版予定の書籍関連の打ち合わせ(渡辺が編集・解題を担当)、科研費関連の書類作成(これは先月22日にどうにか提出完了)、前年度に採択された科研費の調査(こちらは分担研究者として参加中)、教育関連論文の執筆(こちらも先月下旬にどうにか提出)、今後企画するシンポジウムの原案作成&打ち合わせなどで、あっという間に時間が過ぎ去ってしまいました。

ほぼフル稼働でしたので、大学の研究室で朝日を眺めることもしばしばありました。1日48時間欲しいものだ…としみじみ感じつつ、すきま時間が見つからないほどの充実した(しすぎた)「すきま産業」な日々でした。

現在は、11月下旬に提出する所属先の『短大紀要』への論文執筆、12月初旬に提出するコンテンツツーリズム関連の論文執筆(学会誌)、同じく12月締め切りで次年度出版される共著への原稿執筆、今月後半に行う調査旅行の準備(in 石川県)、前任校の学園祭(11/5)へのゲスト出演するための打ち合わせなど、まだまだ成すべきことが盛りだくさんな今日この頃です(折角の三連休が…温泉地にでも行きたいですね)。

それでも、10/15配信のオンデマンド公開シンポジウムの収録を終えたことは、ひとまず一段落といった感じでしょうか。

現在、編集中ですが、私自身も良い刺激となりました。ご一緒させていただいた綱島エンジェルさんも素敵な方で、収録後には今日までの様々な取り組みなど、お話を聞かせていただきました(楽しかったです)。ちなみに昔時、私自身も母校の大学で助手のような身分(当時は「副手」と呼ばれていた)をしていたこともあり、共感できる話も多々ありました。

正直、今回のシンポは手探り感満載な企画でしたが、それでもそれなりの着地点に迫れたかなと思っています。そもそも文学研究者が、今までこうした領域にアプローチすることはほとんどなかったため、どこまで迫れるか全くの未知数でチャレンジングな内容でした。そのため、台本づくりにはかなり時間を費やしました(綱島さん、森さん、遅くなってしまい、ホントすみません)。

今回のシンポの企画が立ち上がる経緯についても色々ありますが、総じて、実現するための情報収集はもとより、自身の研究領域との関連(どこまで応用し「化学反応」を惹起させられるか)や、ゲスト出演者の方のアカデミックな部分との親和性&今までの活動に裏打ちされた話をどこまで引き出せるかなど、そうした部分を念頭に進めてきました。

何はともあれ、あとは当日の配信をお楽しみ下さい☆

ここ数日、気温の寒暖差が激しく、体調管理がより大切になってくる季節となりました。こちらはまだまだ「すきま産業」の占有率が高い日々が続きます。もちろん研究者はそれが当然といえば当然なのですが、あまり占有率が高い状態だと、クオリティの問題もあるので、逐次、バランスを考えて進めねばなりません。

ただ、こうした日々の取り組みが、やがて形となって、後世の人々にも「ああ、なんだか面白いことをやっている文学研究者もいるものだな」と思っていただければ幸いです。論文や学会発表、公開シンポ、書籍出版など、いずれも「研究の種まき」として私は捉えています。現在だけではなく、近未来や遠い未来にまで残る形の研究をいかに進めるか。なかなか難しいですが、やりがいは無限大にあります。

皆様も日々、ご自愛下さいますように。

 

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【現実逃避中の読書~『妹キス』第4巻読了~〈第4回〉】2022. 9. 17

ただ今、科研費の書類をとりあえず書き終え、並行して進めている論文の締め切りにどうにか間に合わせるべく、3連休はひたすらノートPCとにらめっこな日々です。

そうした中、現実逃避の一環のもと(苦笑)、いくつか本を読んでいた中に気になった1冊があったので、ちょっと紹介してみたいと思います(このブログもそもそも現実逃避の一環になっている気がしてなりませんが、気にしないでおきましょう…)。

・海空りく著『カノジョの妹とキスをした』第4巻(2022.9 GA文庫)

ラノベです。略して『妹キス』です。ただ、この作品、ラノベの枠組みに収まり切らない、純文学的濃度を感じた好作品でした。

変な例えですが、樋口一葉や泉鏡花、谷崎潤一郎が令和の現代に転生してラノベ作家になったら、こうした作品を発表しそうな、そんな想像をさせてくれた作品でした。率直に言って、面白かったです。前作から1年ぶりの刊行でしたので、手元にあった1~3巻をザザッと読み返しました。

この前の公開シンポジウム(「仏教絵本とライトノベル~」)で、ご登壇頂いたラノベ研究をされている山中さんと収録前の打ち合わせでのやり取りの中、「異世界転生もの」や「学園ラブコメもの」の量産型&焼き増し状態は否めず(その他、回転率も早く、泡沫の如くあっという間に消え去る多くのラノベ作品)、そうした現況下で差別化を図るためにタイトルに具体的表現を付して、ストーリーが透けて見える傾向が常態化している話が出ていました。

こうしたラノベ環境下において、良き意味でタイトルだけから透けて見えない、文学的な「純愛」とそこに連関する「執着」を一貫性を以て描かれた、そうした作品が『妹キス』の独自性だなと思いました。

詳細を書くとネタバレになってしまうので控えますが、ラストの部分はPCゲーム『君が望む永遠』(アージュ)を想起させる内容でした(この辺りは30代より上の世代でなければ、分からない部分かもしれません)。この作者自身、ウィキペディアで検索すると35歳位とのことですので、世代的には『君のぞ』は知っているものと推察されます。

いずれにせよ、何となく先が想像できてしまうようなラノベとは一線を画した、作者の文学的濃度の披瀝が良い形で発揮されていた作品だと言えます。

今回、第4巻を以て完結ということですが、それはそれで余計に引き延ばすことなく、まとめきった点は良いかもしれません(欲を言えば、もう1巻くらい出して欲しかったですね〈合計5巻〉)。

とりわけ、時雨の一途さを突き抜けた、もはや「金剛不動レベル」ともいえる情念(=純愛)が、この作品を文学的濃度にまで昇華させてくれているものと考えます。そこには善悪を超越した純愛が根幹となっているのは言うまでもありません。

登場人物では、時雨が一番好きでした。賢さや物事を冷静に判断する力、小悪魔的な言動はもとより博道への汲めども尽きせぬ純愛は、読んでいて愛おしさを感じてしまうほどでした(時雨が博道という不器用な男を愛おしむように…笑)。第4巻以外だと、例えば第3巻のラスト近く、「もっと上手に強がれると思っていたのに…」と言ってぽろぽろ涙を流す時雨の描写からは血の通った文章と言いましょうか、まさに浪漫的描写だと感じました(私自身、浪漫主義である幸田露伴の研究者だからこその反応かもしれませんが)。

最近のラノベは全て網羅しているわけではありませんが、それなりの量は読んでいます(いま私の視界にあるラノベは、柚木悠斗『クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話』第4巻、長岡マキ子『経験済みなキミと経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』その5、などが机に乗っています)。文学研究の傍ら、学生時代から読んできたラノベですが、時代や社会の変化(例えば、複雑な家庭環境が設定として多いなど)を受けて執筆されていることもよく分かります。

私自身、『スレイヤーズ』や『ロードス島戦記』、『フォーチュンクエスト』や『セイバーマリオネット』など、90年代ラノベから『妹キス』など現代のラノベまで、卒業することなく継続してそれなりに読んできたため、その変化はクオリティを含め進化しているものと捉えています(もちろん読者の成熟もそこにはあります)。今回読んだ『妹キス』は、いずれ表象文化の一環として、某かの形で扱ってみたい作品でした(この前のシンポでの森田季節氏の作品のように)。

さて、色々と書いてしまいましたが、そろそろ締め切り迫る論文執筆に戻りたいと思います。久しぶりに印象に残ったラノベでした☆

 

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【学会の行方〈第3回〉】2022. 9. 1

本日から9月となりました。

大学はまだ夏休みですが、それ以外の学校は既に授業開始となり、慣れるまで日々のリズムを何となく掴んでいく、そんな日々かと思います。

大学教員は、夏休みは自身の研究にウェイトを置きやすくなるため、授業を抱えている通常営業日の時期よりもより本腰入れて研究を進められます。

もちろん、大学での通常業務は抱えつつですが(各種委員会や私のような幼児教育保育学科に所属する者は、教育実習の巡回指導もあります(来週から実習が2週間始まります))、私自身も大分、普段行うのが難しい研究(資料収集が膨大であったり、複数の人と介して行う調査・研究など)に力を注いでいます。

ちなみに、明日から京都です。既にTwitterで告知している「地域コンテンツ研究会」での研究発表です。『温泉むすめ』関連の発表ですが、京都での発表は「超」がつくほど久しぶりとなります。

今回は研究会での発表ですが、学会での発表となると、昔時は(自分が大学院生の頃)多くの若手研究者が参加し、発表していましたが、現在は少子化の影響でしょうか、そもそも院生の数がめっきり減ってしまい、どこの大学院も定員割れは当たり前で、開店休業状態となっています。

少子化がV字回復でもしない限り、この斜陽産業からの脱却は困難かと考えます。

併せて、近代文学関係の学会においても、めっきり若手研究者が減ってしまい、「世代の継承は果たしてきちんと出来るのか?」といった不安も蔓延していることが挙げられます。

もはや従来のシステムでは通用しないわけで、弟子と師匠のような(大学院生と指導教授)間柄を起点とした、そこから接続性を帯びた集まり(学閥や一派も含め)で運営していくのは、先程述べたように少子化の中では、なかなか大変かと思います。

以前からずっと想いを秘めていたのですが、一度、誰かが「学会の現状についての一考察」といった、学会の現状を把握すべく、論文を書いてくれればと思っていますし、私自身もいずれ書く機会があれば書きたいなと考えています(若手院生が少ないため、特定の人への負荷や、同じ方がずっとその役を担うなどの負荷&弊害、学会自体の形骸化など)。

この件はかなり「待ったなし」の状態ですので、書籍レベルで一冊ぐらい出ても良いのではないかと思います。ある意味、脈々と重ねてきた学会(研究会)ネットワークの遺産が揺らぎ始めてきているわけですから。

さて、明日の京都での研究会発表に向けて、資料の最終チェックを引き続き行います。

 

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【研究と教育のバランス〈第2回〉】2022. 8. 25

昨日と本日は大学の再試験&追試験日でした。

どこの大学でも新型コロナの影響を強く受け、結果、通常と異なる形での試験実施やレポート課題の提出、救済処置などが取られていることでしょう。

うちの大学もこうした対応に追われ、コロナ禍を丸2年を経過したといえども、なかなか大変な部分は今も続いています。

また、通常の教育活動はもとより研究活動も続けているわけですが、こちらは北関東という地理的要因も相まってか、幸いにもほぼ全て対面授業で行うことができました(昨年度も)。ただ、幼児教育保育学科という特性上、どうしてもコロナ禍では実習が予定通りに進まない部分もあり、幼稚園や保育園への巡回指導では、臨機応変な対応を迫られ現在に到っております。

少しでも学生達が実習経験を積み重ねて、幼児教育保育の現場に飛び立ってもらえればと念じてやみません。うちの大学は実習時間を他大学よりもかなり多めに取っているため、ハードな部分もありますが、2年間という短い期間でたくましい成長を遂げていく学生を多く見かけます(もちろん、頑張りましょうな学生もいますが…)。

ちなみに、私は前期(春セメ)において、「子どもと言葉Ⅰ」「日本語表現」「プレゼンテーション概論」「課題研究」(こちらは通年)といった授業を担当してきました(つい先月末まで)。とりわけ「日本語表現」は、学生時代はもとより社会人になっても恥ずかしくない日本語表現ができるよう、適宜、演習を取り入れながら行っています。こちらの添削はハードですが、学生も毎回、授業内で小課題を出されてさぞかし辛いだろうなと思います。ですが、これも近未来の「自分への投資だよ」と言いながら、学生達を毎回、優しく叱咤激励しています。

研究においては、私自身「必ず一日、最低2時間は研究すること」と決めながら、授業準備はもとより様々な校務を行いつつ、取り組んでいます。もちろん、予定通りに進まないことの方が多いですが、それでもこうした意識を持ちながら過ごすことで、少しずつ目指している研究の輪郭が形になってきます。

日々、研究を行うからこそ、質の高い教育として授業などで還元できるわけで(言わずもがなですが)、いわば研究と教育は表裏一体にあると言えます。

私自身、特にブランド大学出身でもなく、かつ有名な指導教授のもとで教えを受けたわけではありませんが、それでも様々な指導を吸収し、コンスタントに研究に取り組み、裾野を広げて今日までやってくることができました。振り返ると、そこには周囲の協力もあり、時には運やタイミングにも恵まれていたと思います。ただ、その土台にはどのような環境にあっても研究していく、というスタンスは強かったと言えます。

師匠(研究世界では指導教授のことをこう呼ぶことが多い)が亡くなってそろそろ2年が経ちますが、まだまだ研究においては「駆け出し者」のような気持ちは持っています。それが飽くなき挑戦への原動力なのかもしれませんが。

つれづれなるままに書いてしまいましたが(まさにブログの本質…笑)、研究と教育のバランスをいかに意識して、日々を過ごしていくか。正直、今の研究者は教育(学生のサポートも含め)の方に引っ張られてしまうことが多いかと思います(自身も含め)。あとはそこに引っ張られたままの状態にするのではなく、いかに自分に対して短期・長期の研究目標を定めて、日々意識して過ごしていくかが大切です。

ハードな日々だからこそ、やり繰りして作り出した僅かな研究時間に、最大限の集中力とひとときの悦びを見出すことも出来ます。このことは研究に限らず、あらゆる物事においても同義と考えます。

今週末は研修のため、都内へ出張です。そちらの準備もやり繰りせねばならない今日この頃です。それなりに分量のあるテキストを事前に読んでいかねばならない研修のようです。

下の写真は、6月に『温泉むすめ』関連のフィールドワークで訪れた、大子町の「袋田の滝」です。この時期も巡回指導直前の、やり繰りしての強行軍でした(苦笑)。

 

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【ブログ開設から10日が経ちました!〈第1回〉】2022. 8. 22

8月も後半に入りました。

本日『文アル』のTwitterでは、幸田露伴の誕生日が取り上げられていますね(もちろん、リツイートしました、素晴らしいですね!)。

所属する大学が夏季休暇に入ったと同時に、このブログ開設を行いましたが、その後、雑務に見舞われ、なかなか「つれづれブログ」のUPが叶いませんでした。

ようやく第1回目の「つれづれブログ」です。UPできて、少しホッとしました。

これから日々の研究&教育の中から、フト思うことをつれづれなるままに書いていきたいと思います。

ちなみに、一昨日は都内で収録を行っていました。

8月28日に配信される、オンデマンド公開シンポジウム「仏教絵本からライトノベルまで―異世界・地獄・天国―」の収録です。

私のTwitterのトップに固定して、ポスター告知しておりますので、是非、ご確認ください。

今まで、どの研究者も試みたことのない、大胆かつ斬新な(?)内容になったかと思います。

活字から図像へとシフトしている、ポスト・グーテンベルクな現在、仏教絵本やライトノベルそれぞれのメディア媒体がどのような役割や特徴を持ちながら、受容されているのか。また、今後それらはどのような展開を見せていくのか。

幸いにも、ラノベの研究者でもある山中智省先生(目白大学 専任講師)と仏教絵本の研究を行っている森覚先生(大正大学/帝京大学 非常勤講師)が様々な角度から発言してくださり、手探りながらも有意義なひとときになったかと思います。

私自身も拙いながら、パネリスト兼コーディネーターとして参加させていただきました。

幸田露伴研究を行っている身からすると、例えばメディア(活字)が生成する仏(仏陀)のイメージで挙げるならば、「毒朱唇」でしょうか。釈迦を詩人として捉えるイメージは、明治二十年代としてはかなり奇抜と言えます。作者・露伴の想像力と仏教関連の知識の造詣ぶりがうかがえます。

あまり色々書いてしまうと、ネタバレになってしまいますので、ここまでとしますが、収録を振り返ってみると、間違いなく世代ごとに受容しているメディアの種類は明らかに異なっており、多メディア時代になればなるほど、原作から離れた二次創作が一人歩きし、やがてそれが独立していくようにも考えられます。

なお、今回は森覚先生の科研費事業の一環としてのシンポジウムでしたので、配信も森先生のYouTube「KAKU LABORATORIO」からとなります(8/22現在、前回5月に開催した「仏像とフィギュア」の公開シンポの動画のみUPされています)。

是非、頃合いを見つけて、ご笑覧くだされば幸いです。

8月28日14:00~の配信となります。

https://www.youtube.com/channel/UChu8O67Sg91TJDr_Of5TlWw